フリーランス法、11月1日に施行 発注側に義務と七つの禁止行為
企業に属さず1人で仕事を受注して働くフリーランスを保護し、働きやすい環境を整備する「フリーランス法」が1日、施行された。業務の発注側には取引条件を明示する義務などが課され、買いたたきなどの禁止行為も定められた。 【画像】フリーランスの女性に発注元から届いた報酬をめぐるメール 政府の2020年の調査では、フリーランスは国内に推計462万人(うち副業が248万人)いるとされる。フリーランスは労働基準法などの保護の対象外で、企業との交渉に弱く、不当な取引を強いられやすいことが問題となってきた。 フリーランス法はそうした問題を是正するためにできた。発注側は業務内容や報酬額といった取引条件を文書やメールで明示し、報酬の支払期日などを守る義務を負う。 委託期間が1カ月以上の取引では、「買いたたき」「不当な報酬の減額や発注内容の変更」「無償でのやり直し」など七つの禁止行為も規定。公正取引委員会が違反行為の是正勧告や命令を出す際には、事業者名や違反内容などを公表するという。 委託期間が6カ月以上の場合、フリーランスが育児や介護などと業務を両立できるように配慮することも求められる。 一方、公取委が5~6月にウェブ上で実施した同法をめぐる実態調査では、「(同法の)内容を知らない」と回答した委託業者は54.5%、フリーランスは76.3%だった。認知度の向上も課題となっている。(高島曜介)
朝日新聞社