異世界漫画は「俺TUEEE」だけじゃない! 猫?、最下級モンスター、乙女ゲームのオリジナルキャラまで色とりどりの「異世界ファンタジー漫画」【書評】
絶望令嬢の華麗なる離婚~幼馴染の大公閣下の溺愛が止まらないのです~
エリザベス・ティア・ロッテバルトは侯爵家の長男・アバンの許に嫁いだものの、彼は愛人と遊び歩く毎日。エリザベスは使用人のような生活を送る名ばかりの侯爵夫人だった。そんな彼女は離婚も考えていたものの、20歳の誕生日にアバンの手で乙女の証と命を散らされてしまう。だが意識を取り戻すと、そこは結婚直前の過去であった。彼女はそのとき決意する。あの絶望を経験していても政略結婚からは逃げない。そのうえで死ぬ前とは違い、味方を作り、華麗なる離婚のために動きはじめるのだ。第二の人生を進撃するエリザベスのキャラと“胸糞展開”からのカタルシスが魅力。読んで胸がスカッとする、バッドエンド回避の爽快逆行ファンタジーだ。
乙女ゲームの最強キャラたちが私に執着する
主人公の少女・ダリアは転生前の記憶を取り戻した。それはこの現実が、自分がプレイしていた乙女ゲーム「ウロボロスの迷宮」の世界であることだ。だがダリアというキャラはゲームにおらず、設定も異なっている。本来「ウロボロスの迷宮」は、アドリーシャ・ベニテルという主人公キャラに、異能力をもつ“超越者”という青年たちが執着してくる乙女ゲームで、しかも夢も希望もないほぼバッドエンドのシナリオだ。ただ、この世界の“超越者”たちは皆ダリアに執着してくる。先の展開が見えない状態で、頭が切れるダリアが最悪の結末を回避し、第二の人生であるこの世界をどうやって攻略するのかが見どころだ。