MLBチームのスポンサー収入にも「大谷効果」、前年比23%増の約2885億円
米MLB(メジャー・リーグ・ベースボール)の収益は増え続けており、その大部分をスポンサー収入が占めている。SponsorUnited(スポンサーユナイテッド)が24日に発したレポートによると、全30球団の今年のスポンサー収入は前年比23%増の約19億ドル(約2885億円)となっている。2022年比ではなんと55%増だ。 レポートによると、全球団合わせて30のカテゴリーで新たに325件のスポンサー契約を獲得した。中でも建設・産業、自動車、保険のカテゴリーで大きく増えた。建設・産業業界のスポンサー契約は前年比45%増と最大の伸びを示し、総額は7600万ドル(約115億円)に達した。 ■ドジャースと大谷翔平選手効果 ドジャースの大谷翔平選手は今シーズン、MLB史上初の「50本塁打、50盗塁(50-50)」という快挙を成し遂げた。ドジャースに移籍する前から、大谷選手のスター性に目をつけていた日本の企業の関心を引いていたが、移籍後は次々にスポンサー契約が舞い込んだ。スポンサー契約を結んだ日本の企業は2022年には10球場で11社だったのが、今年は15球場で35社となった。 レポートには書かれていないが、SponsorUnitiedの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のボブ・リンチが筆者に語ったところによると、ドジャースのスポンサー契約数は30球団中25位だが、今年のスポンサー収入は米NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)の多くのクラブを上回る3億ドル(約455億円)近くに達したという。 ■デジタルサイネージとジャージパッチが成長 MLBと球団は、さまざまなところにスポンサー広告を持ってこようと工夫を重ねており、広告を出せる場所を増やし、柔軟性を持たせている。例えば、今ではデジタルサイネージをバックスクリーンでよく目にするようになっている。また、成長分野の1つはダグアウト付近のデジタル広告だ。SeatGeek(シートギーク)やトヨタ自動車、デルタ航空、その他多くの企業が広告を出している。2022年の導入以来、ダグアウト付近のデジタル広告の出稿は118%増えている。レポートによると、ダグアウト付近のデジタル広告枠の77%が売れ残っており、まだ成長の余地がある。