MLBチームのスポンサー収入にも「大谷効果」、前年比23%増の約2885億円
スポンサー契約が最も多い球団はシンシナティ・レッズ
昨年は球団の53%がジャージパッチ(ユニフォーム袖の広告)契約を結んだ。この数字は今年、オリオールズやカブス、フィリーズ、ジャイアンツ、レンジャーズ、ロイヤルズ、パイレーツが加わったことで73%に上昇。この結果、今年のパッチによる収入は昨シーズンより59%増えた。 ■ポストシーズン進出はスポンサー契約で有利に 勝利するために投資し、ポストシーズンに進出した球団がスポンサー契約を多く獲得することは明確に示されている。3シーズン連続でポストシーズンを逃した球団は、スポンサー契約の伸びが3分の1になる。ほとんどのスポンサー契約は複数年契約であるため、この3年という期間は重要な意味を持つ。つまり、プレーオフ進出を果たした翌年にプレーオフ進出を逃したとしても、前シーズンに獲得した契約の多くは続いている。このデータから、勝つために投資して成功を収めた球団が長期的にスポンサー収入を多く得ていることは明らかだ。 レポートでは、スポンサー契約の多い選手やSNSフォロワーの増加幅についても取り上げている。主なポイントは以下のとおりだ。 ・スポンサー契約が最も多い選手はシーズン途中にシアトル・マリナーズに移籍したジャスティン・ターナー選手で、20件結んでいる ・スポンサー契約が最も多い球団はシンシナティ・レッズで、計200件を超える ・広告を最も多く出している企業はバドワイザー。次いでトヨタ自動車、Tモバイル、コカ・コーラの順となっている ・ドジャースは今年、大谷選手との契約によりSNSのフォロワー数を100万近く増やし、ヤンキース(60万弱増)など他の球団を圧倒した。選手別では大谷選手がトップだった一方で、パイレーツの新人ポール・スキーンズ投手が3位に入った。スキーンズ投手は続く新人6人の合計よりもフォロワーを増やした SponsorUnitedのレポートは、今シーズンの球団・選手とのスポンサー契約やSNSエンゲージメントの分析に基づいており、企業3300社以上、契約5400件、SNS投稿1万2300件を網羅している。使用したデータは今年2月15日~10月9日のもの。
Maury Brown