民進党代表選2017(全文2完)枝野氏「自民党には理想論だけでは勝てない」
民進党は1日の臨時党大会で代表選を行い、新しい代表に前原誠司元外相を選出した。枝野幸男元官房長官との一騎打ちの構図だったが、国会議員票や地方票の獲得ポイントで、前原氏が枝野氏を170上回った。任期は2019年9月末まで。 【写真】民進党代表選2017(全文1)前原氏「政権交代の決意に『失笑』を変える」
難波:前原候補、ありがとうございました。続きまして枝野幸男候補、お願いいたします。 枝野:代表選挙に立候補しました枝野幸男です。私からもこの代表選挙に関わっていただいた全ての皆さんに心から御礼を申し上げます。特にさまざまな事情を乗り越えて私、枝野のためにこの間、活動していただいた皆さんには心から感謝の言葉を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。12日間、前原さんと選挙戦を戦い、全国各地を回らせていただきました。あらためて、前原さんの懐の深さを、私には足りない周囲へのきめ細かな心配りを感じることができました。そして、目指す社会像、理念、こうした点ではおおむね一致しているのではないかと思うことができました。あらためて、これからも前原さんと力を合わせて、どんな立場であってもこの党を前に進めていく、日本を変えていく、そう決意をしています。前原さん、本当にありがとうございます。 私がこの選挙戦を通じて繰り返し強調してきたのは、政治のリアリズムです。理念や政策をしっかりと示すことも大切です。しかし、重要なのは実現する力です。どんな理想も選挙に勝つことなしには絵に描いた餅です。選挙戦を通じて1点だけ違和感を覚えたことがあります。それは前原さんが選挙のことだけを考えるのは政治屋という表現を繰り返し使われたことです。意味するところ、その姿勢は私もよく分かります。しかし、皆さんどうでしょう、間もなく始まる3つの補欠選挙、1年ちょっとの間にある衆議院の総選挙。そこに勝つことは民進党のためでしょうか。1人1人の候補者のためでしょうか。違います。国民のためです。今の政治に怒りや危機感を持つ多くの国民の声に応え、政治の流れを転換させる。怒りや危機感を希望へと変えていく。1人でも多くの仲間に当選してもらうのはそのためです。これは国民と未来に対する民進党の使命です。 権力を私物化し、情報を隠し、立憲主義まで破壊をする、こんな権力の暴走に、なんとか止めてほしい、願う幅広い国民の皆さんのために、原発ゼロに向けた道筋と姿勢を明確にして、福島に寄り添い、未来への責任を果たすために、ジェンダー差別、障害者、性的マイノリティー、そして格差の広がり。分断を食い止め、多様性を守り、共に支え合う社会を実現するために、私の言うリアリズムはこうしたことのために地をはってでも勝ちにいく。死に物狂いのリアリズムです。民進党が1議席でも多く獲得し、政治の流れを変えなければならない。国民のため、未来のため、私は次の選挙に勝利するために、ここにいる国会議員、候補予定者、それを支える多くの皆さんと共に死に物狂いでその先頭に立って戦ってまいります。