民進党代表選2017(全文2完)枝野氏「自民党には理想論だけでは勝てない」
安倍政権を倒すために消費税を掲げて戦うときではない
したたかな自民党に対抗して、選挙に勝利するためにはあるべき論や理想論だけでは勝てません。私は選挙に勝つというリアリズムに徹する見地から3つのことを訴えたい。1つは消費税です。安倍政権は選挙のために二度にわたって消費税率引き上げから逃げました。三度、引き上げ延期を言い出すかもしれない安倍政権に対し、しかも今のこの経済状況で民進党は引き上げを言えるだけの国民との信頼があるのでしょうか。現実に選挙で戦えるのでしょうか。私も将来の負担増をお願いすることから逃げてはいけないと思っています。しかし今は国民の理解を得て、安倍政権を倒すために消費税を掲げて戦うときではない、これはリアリズムです。 2つ目は候補者の一本化です。昨年の参議院選挙、私たちが求めたんじゃない。今の政治に危機感を持った市民の皆さんが声を上げ、それぞれの地域で困難を抱えながら、その期待に応え、1人区での一本化が実現しました。彼らを含めれば8人の仲間が厳しい中、当選しました。民進党の理念も政策も、そして主体性も何も曲げていません。野党が乱立する中で自公と戦えるのでしょうか。候補者の一本化は地域で頑張っている候補者への最大の応援ではないでしょうか。簡単なことではありません。でも、それぞれの地域で、厳しい中で、財政的にも苦しい中で、歯を食いしばって頑張っている候補予定者がたくさんいます。こうした総支部長に対する地域に応じたきめ細かいサポートや、財政支援に合わせて、できうる限りの一本化の努力を進める。選挙に勝つため、できることを最大限やる。これが次の代表の使命だと思います。これがリアリズムだと思います。私は、この使命を果たすため、全力を尽くしてまいります。 3つ目に、戦う姿勢を明確にしようではありませんか。民進党は批判ばかり、なんでも反対と攻撃されてきました。党の内部からすらそんな声が上がるときがあります。しかし、理想を掲げることと権力を厳しくチェックすることは車の両輪です。特定秘密保護法、さまざまな労働法制、安保法制、共謀罪、国民のために私たちは戦ってきたんです。そして特に今年、森友・加計問題、日報問題、政治の不正と戦い、国民の前に真実を明らかにしてきたんです。そんな仲間たちの努力の成果が内閣支持率の低下です。1人1人の努力が現状を動かしてきたんです。私たちはこうした積み重ねの先にこそ未来をつくる力を持っているのではないでしょうか。1人1人が理想を掲げながら一致結束し、戦う民進党としての姿勢を自信を持って明確にしていこうではありませんか。