浅田真央の電撃引退は何が引き金か
フィギュアの浅田真央(26、中京大)が10日、午後10時51分付けのブログで電撃引退を発表した。 「突然ですが、私、浅田真央は、フィギュアスケート選手として終える決断を致しました」で始まる引退発表文は、「ソチオリンピックシーズンの世界選手権は最高の演技と結果で終える事ができました。その時に選手生活を終えていたら、今も選手として復帰することを望んでいたかもしれません。実際に選手としてやってみなければ分からない事もたくさんありました。復帰してからは、自分が望む演技や結果を出す事が出来ず、悩む事が多くなりました。そして、去年の全日本選手権を終えた後、それまでの自分を支えてきた目標が消え、選手として続ける自分の気力もなくなりました」と続き、昨年12月の全日本選手権で12位と惨敗、世界選手権への出場権を逃した結果が引退への決断につながったことを明らかにしている。 だが、このタイミングでの引退発表した引き金としては3月下旬にヘルシンキで行われた世界選手権で日本女子が来年の平昌五輪の出場枠の「3」を確保できずに「2」に減ったことも考えられる。 まだ平昌五輪の選考基準は明らかになっていないが、ソチ五輪の選考基準が(1)1人目は全日本選手権優勝者(2) 2人目は、全日本2位、3位の選手とグランプリ・ファイナルの日本人表彰台最上位者の中から選考。(3) 3人目は、2の選考から漏れた選手と、全日本選手権終了時点でのワールド・ランキング日本人上位3名、ISUシーズンベストスコアの日本人上位3名選手の中から選考。という3つの基準であったことを参考にすると、平昌五輪に出場するためには全日本優勝か、グランプリファイナル上位に食い込む必要が出てくる。 そうなると全日本で3連覇を果たしている宮原知子の牙城は高く、残り1枠の争いには、世界選手権5位と台頭してきた三原舞依や、ジュニアからシニアデビューしてくる本田真凛、坂本花織らと勝負をしなければならない。心身共に充実していれば、勝負もできただろうが、浅田は、今季の戦いで大きな不安を残していた。 26歳の浅田は、6位に終わったソチ五輪後、日本開催となった世界選手権で自己ベストを大きく更新して4年ぶり3度目の優勝を果たしたが、「(復帰は)ハーフ、ハーフ」の言葉を残して1年半の休養に入った。2シーズン前に復帰、GPシリーズの中国杯で優勝、健在ぶりを世界にアピールしたが、NHK杯ではジャンプにミスが目立ち3位、GPファイナルには出場したが、出場選手中最下位に終わっていた。全日本では3位となり、世界選手権出場権を得たが7位だった。