バス・トイレ・浴室を一つに。バリアフリーでスタイリッシュな住まい【マンションリノベ事例】
バリアフリーといえば段差をなくし手すりを付けて…というつくりが一般的ですが、斬新なリノベーションでさらなる仕掛けを加えたのがこちらのマンションのお住まい。 【写真集】リノベーションで激変!楽しさも叶えたバリアフリーマンション アイデアあふれる建築家に依頼し、体の不自由なお子さんと住むマンションを全面改装。住み心地もインテリア性も格段にアップしたユニークで楽しい住まいをご紹介します。
リハビリのためのリノベーション
LDKを横切るように設置した高さのそろった棚。収納でもあり、カウンターでもあるこの棚は、住まいの作品名となっている「PIER(ピア、桟橋の意味)」が表すように、まるで桟橋のように存在しています。このユニークなプランは、建築家の駒田さんと住み手のMさん夫妻のコミュニケーションにより生まれました。 それまで築10年近くが経過したマンションに住んでいたMさんは、体が不自由なお子さんのリハビリと介助時の負担を軽くするためにリノベーションを決意。
バス、トイレ、洗面をスリー・イン・ワンに
もともと廊下の幅も80㎝以上あるバリアフリー対応の部屋でしたが、入浴の際には既存のユニットバスに限界を感じていたといいます。 「とにかくバス、トイレ、パウダールームをスリー・イン・ワンにするのが希望でした。とすると、フルリノベーションしかない。リサーチのなかで駒田さんの設計された素敵な空間を見つけて。そこで思い切って相談をしてみることにしました」と、Mさん。
家族の顔が見える独立したカウンター
駒田さんにはスリー・イン・ワンの希望に加えて、お子さんが家でつかまり立ちやキーボードの練習をしたいことなどを伝えました。 依頼を受けた駒田さんは、「お子さんが壁に沿って動くものにしてしまっては、ご両親はお子さんの背中しか見えません。それに何よりお子さんが壁しか見られず楽しくない。これは絶対にフリースタンディングの収納棚兼カウンターにして、ゾーニングもこの棚でできたらと考えました」と、プランを提案。 そして完成した美しく楽しい空間。特殊な環境や条件だと諦めず、あくまでも家族全員が快適で楽しく暮らせるようにという住み手と建築家の思いが形になり、優しさにあふれるユニークで素敵な住まいが完成しました。