岸田前首相が石破首相と官邸で会談 資産運用立国へ「イデコ」拡充策などを緊急提言
自民党の岸田文雄前首相は26日、首相官邸で石破茂首相と会談し、自らが呼びかけ人となった「資産運用立国議連」の緊急提言を行った。個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」の抜本的な拡充などが柱で、令和7年度予算編成への施策の反映を求めた。 資産運用立国は岸田氏が首相在任時に掲げた看板政策の一つで家計の金融資産の半分超を占めるとされる預貯金を投資に回し、国民の所得増を目指す。 岸田氏は首相との会談後、官邸で記者団に「家計の資産を企業の成長に結びつけ、企業の成長の果実が家計にまた戻ってくる。手取りが増える好循環をつくるために資産運用立国は大変重要な取り組みだ」と述べた。会談には茂木敏充前幹事長らも同席した。 緊急提言ではイデコについて「新NISA(ニーサ、少額投資非課税制度)と並ぶ推進力あるものにしていく」と明記。また、資産運用立国に向けた施策を検討するため、内閣官房に有識者会議を設置することなどが盛り込まれた。 岸田氏はこの日、10月の退任以来の官邸訪問だったが、「(在任時と)変わったところはなかった」と記者団に冗談交じりに語る場面もあった。