大河ドラマ「光る君へ」で藤原道長役の柄本佑「道長はパパです」
NHK総合ほかで放送中の大河ドラマ「光る君へ」。まひろ(吉高由里子)の夫・宣考(佐々木蔵之介)や、藤原道長(柄本佑)の姉・詮子(吉田羊)が世を去り、月日は3年が流れ…。宮中では「枕草子」が流行し、これを読んでは亡き定子(高畑充希)に心を奪われたままの一条天皇(塩野瑛久)。一条天皇に相手にされず寂しく暮らす、道長の娘・彰子(見上愛)。 8月18日放送の第31回「月の下で」では、道長がまひろに、一条天皇に献上するための物語を書いてほしいと頼み込み、まひろがいよいよ「源氏物語」を書き始めます。道長はどんな思いでまひろに執筆を頼んだのか? 道長の生き方や考え方についてどう捉えているのか? 道長役の柄本佑さんにお聞きしました。
“三郎としての人間性”をより意識するようになっている
――物語もいよいよ佳境を迎えます。ここまで道長を演じてきていかがですか? 「“人間味あふれる人物像”としての道長を演じるところからスタートし、いろいろんな因果が巡って、いよいよ政治のトップに立ちます。これまで以上に一条天皇に意見をしたり、はかりごとをしたり、『民のためのよき政』という、まひろとの約束を果たすために娘の彰子を入内させたり。今までの道長と乖離(かいり)した部分が現れてきたことを肌で感じながら演じています。手助けしてくれた姉・詮子もいなくなり、道長自身も悩んでいて。今の地位にいるけれども、もともとは、木村皐誠さん演じる“のんびり屋の三郎”であり、その“三郎の人間性”がとても大事になっていると実感しています。ここ最近になって“三郎”をより意識するようになりました」
――「光る君へ」で描かれる道長のキャラクターに対して、世間ではいろんな意見が上がっています。 「世間がイメージする“ヒール(悪役)な道長”ではなく、“新しい道長”を描きたいとお聞きしたので、“『光る君へ』の道長”を全力で演じています。道長は必死に家族の幸せを願っているんですよね。彰子の入内を盛り上げるために、花山院や公卿たちの和歌が貼られたびょうぶを用意することで、一条天皇に道長の力を見せつけました。これは、当時の行動としてはものすごいことなんですけど、僕は非常に地に足の着いたことだと捉えています。自分の家族を政治に絶対関わらせたくなかったのに、晴明(ユースケ・サンタマリア)に提案され、詮子にも『血を流すべき』と言われて入内させることになったからには、とにかくに彰子に幸せになってほしいわけです。『家族の幸せを願う』という地に足の着いた思いを実現するための行動。道長は、“家族の幸せ”と、“まひろとの約束”を果たすために、まだまだ悩みながらまい進しています。非常に真っすぐな人です」