大河ドラマ「光る君へ」で藤原道長役の柄本佑「道長はパパです」
――これから、まひろも本格的に「源氏物語」を書いていくことになります。まひろとの関係がどうなるのか楽しみです。 「今までは、離れている時間が2人の思いを強めている印象でしたが、その関係性が変化していきます。“ソウルメイト”だからこその信頼関係は変わりませんが、落ち着いた形になっていきます」
――妻でもなく妾(しょう)でもなく“ソウルメイト”。柄本さんにとって“ソウルメイト”はどんな存在ですか? 「本気を出せる人かな。愛し合うことや憎み合うこと、弱みを見せることが本当にできる、そうなってしまう。だからよくも悪くも、ものすごくいがみ合ったり、怒り合ったり、本気で決別できたりするんだと思います」 ――道長は、“ソウルメイト”のまひろに心ひかれながらも、物語を政治利用しようという思いも持っています。 「まひろに物語の執筆を頼んだ時は、政治的な思惑は全くなかったわけではありません。けれども、ほかの人には見せられないような表情や情けなさを本気で出せる唯一の存在がまひろ。だから、『一条天皇が彰子に会いに行ってくれないんだ、娘のために頼む!』と、すがるような気持ちだったと思うんですよね。政治よりも家族を思っての行動で、それが結果的に政治につながる。そう考えると、道長は非常にパパをしていますよね(笑)。だから、全力でパパを演じました(笑)」
――道長には「彰子の幸せ」が一番にあるということですね(笑)。道長はどんな気持ちでまひろの物語を読んだのでしょうか。 「“汗たら案件”だったと思います(笑)。『これを一条天皇に渡すのか?』ということも考えていたはずなので、冷静には読めず、不安でいっぱいだったと。できあがった物語について、道長はまひろに『かえって帝のご機嫌を損ねるのではないか』と正直に話しています。ちなみに、吉高さんは、紫式部そのものですよ(笑)。以前、目にしたことがある『紫式部像』のようです。本当にすごいですから(笑)」 ――楽しみにしています! お話ありがとうございました。 道長の複雑な思いを演じることに難しさを感じながらも、演じ切った先に見えてくる“道長の考え”に期待を寄せる柄本さん。これから道長はどんな手段で「民のためのよき政」を実現していくのか? 道長とまひろの関係はどのように変化していくのか? 「枕草子」VS「源氏物語」の行方は? 今後の展開に目が離せません!