佐久間宣行が語る『トークサバイバー!』撮影秘話「おぎやはぎは絶対コンビで出てほしかった」
Netflixコメディシリーズ「トークサバイバー!ラスト・オブ・ラフ」の配信が9月3日にスタート。話題の作品『地面師たち』を抜いて日本のNetflix週間TOP10(シリーズ)で1位に躍り出るなど、好調なスタートを切った。 【写真】大ヒットを記録している「トークサバイバー!ラスト・オブ・ラフ」シーズン3 「トークサバイバー!ラスト・オブ・ラフ」は、芸人たちがエピソードを披露し、面白くなければ即脱落というルールのもと行なわれるトークサバイバル番組「トークサバイバー!~トークが面白いと生き残れるドラマ~」の最終章。企画演出・プロデューサーを務める佐久間宣行に「トークサバイバー!」シーズン3の魅力、作品の意義について話を聞いた。(前後編の後編) ──「トークサバイバー!」も人気コンテンツとしてシーズン3まで来ました。「今日のTV番組TOP10」でも1位となっていますが、シーズン3を作る前はどういう気持ちでしたか? 3まで来ても変わらないですね。今日(取材日9/6)の時点でデイリーの1位になっていましたが、やったー!とかではなくてほっとしたという感じですね。3までやろうよと言ってくれたNetflixさんや千鳥、出てくれた芸人、スタッフに対し、最低限の責務は果たせたという気持ちが強いですね。 ──これまでのシーズン1と2で「トークサバイバー!」の面白さはすでに広く知れ渡っていると思いますが、シーズン3から変えたことはあるんでしょうか? ひとつは、ドラマの中にもボケを増やしました。良いところも悪いところもあるかもしれないけど、実際入れてみたらどういう化学反応が生まれるかと思って試しました。シーズン3まで来るとファンだけで視聴者が固まっちゃうかもしれないから、マンガパロディなども小ボケのひとつですね。 もうひとつが、エピソードトークではない「ブチギレながら褒める」というようなテーマも徐々に入れてみたんです。これは過去に出ていて、その場にいない人も“登場”することができるので、試したいと思って入れました。 ──「ブチギレながら褒める」は第2話と7話で登場しましたが、SNSなどでも反響が大きく、新たな風として受け入れられていましたね。 僕は考えた時にこれは行けると思ったんですけど、芸人さんと喋ってみると、「やってみるまでわかりませんね」と不安な様子でした。ただ、ワンコーナーだから、仮にスベっても編集できると思っていましたし、やってみたら一発目からバコーンとウケたので、狙い通りでしたね。 ──「ブチギレながら褒める」は最終盤にも再登場していますよね。 後半は登場している本人たち以外も褒めるというのをオプションで足したんですよ。それが転がり始めたときに想定より良いものになったと思いました。 ──そういった現場のディレクションで言うと、シーズン3のラストではOKカットを出さず芸人さんを最後まで追い込んでいたように見えました。 いや、あれは現場だけの意見というより、「トークサバイバー!」の後半はトークがなくなって絞り出す芸人を見たいという視聴者の気持ちがあると思っていて、僕が悪役になったほうがいいかなと思いました。ただ、大悟さんとか劇団ひとりとか何もなくなったところからでも出てくる人なので、心配はしていなかったです。 ──確かにこれまでのシーズンと比べても、シーズン3は終盤になっても、エピソードがなくてダレるというシーンがなかった気がします。 シーズン1はまだ芸人側がどういう番組かわかっていなかったから、「こんなに大変なの」と思っていたんじゃないかな。どんどんどんどんエピソードはなくなるけど喋んないといけない。でもそれが狙いだったし、追い込まれていく芸人を見てほしかったんです。芸人からすると、仕上がりがどうか不安だったと思いますが、シーズン2と3は覚悟して来ていたから、大丈夫だったかな。最終話は僕がなかなかOKを出さないので、みんな内心キレていたと思います(笑)。 ──シーズン3ではおぎやはぎやニューヨークなどコンビで参加している芸人たちの活躍も目立ちましたね。 おぎやはぎは絶対コンビで入ってほしくて。コンビだとシナジーが生まれるなと考えていました。正直、小木(博明)さんが訳わかんないことになっても、矢作(兼)さんという保険があるので。小木さんの話も矢作さんが補足できるし、その通りになりました。 ニューヨークは2人ともが面白いので、どっちもスケジュールに空きがあると聞いて、どちらかだけを選ぶことができなかったんです。