うま味凝縮、ニシンと大根のこうじ漬けづくりが最盛期 京都・発売すぐ売り切れる人気の特産品
京都府南丹市美山町で、冬の伝統食「ニシンと大根のこうじ漬け」作りの季節を迎えている。「西の鯖(さば)街道」ゆかりの特産品で、住民たちが約1カ月かけて漬け込む。うま味が凝縮されたニシンと、柔らかく甘い聖護院だいこんが調和した独特の風味を受け継いでいる。 正月ごろの味覚として若狭(福井県)や同町で親しまれている。 同町下の「下区食品加工グループ」は11月に作り始めた。大根を2週間塩漬けした後、ニシンや米こうじと一緒に2週間漬ける。 発酵した香りの漂う加工場では、完成した分を女性4人がおけから取り出し、袋詰めしていた。年間80キロほど仕上げる。 地元で人気の味だが、高齢化で作り手は減っている。道の駅「美山ふれあい広場」などに出荷すると、すぐ売り切れる。 ベテランの大前多賀子さん(74)は「独特のうま味が魅力。漬け込み出すと、今年も冬が来たなと感じる」と話した。1月中旬まで製造する。