映画大好きオバマ元大統領、オスカー的中率が高い理由【アカデミー賞2024】
2012年にはジョージ・ルーカス監督に芸術勲章を授与していて、オバマ元大統領のお気に入りが10代だった頃に見た『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(’77)であることも明らかに。 彼のお気に入りSF映画リストには、『スタートレック』(’66)シリーズやスピルバーグ監督の『未知との遭遇』(’77)、リドリー・スコット監督の『ブレードランナー』(’82)、ウォシャウスキー兄弟監督の『マトリックス』(’99)、『2001年宇宙の旅』(’68)などが入っているそう。さらにアンジェイ・ズラウスキー監督の遺作となった『Cosmos』(’15)もリスト入りしているあたりからも元大統領の趣味の良さが感じられるのだ。
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さて、そんなオバマ元大統領が大晦日に公表した2023年のお気に入り映画リストを見てみたい。 最初に公表したリストに入っていたのは、『The Holdovers』『オッペンハイマー』『アメリカン・フィクション』『落下の解剖学』『パスト・ライブス/再会』というズバリ2024年のオスカー作品賞候補に加えて、『BlackBerry』『AIR/エア』『Polite Society』『A Thousand and One』、そして是枝監督の『怪物』という10本。 加えて、自身の製作会社が製作し、Netflixで配信した『ラスティン:ワシントンの“あの日”を作った男』と『ジョン・バティステ:アメリカン・シンフォニー』、『終わらない週末』もリストイン。3本に関しては「これらの映画はハイヤー・グラウンドが製作したので偏見に満ちているが、実際、私が今年観た映画の中で最高の3本である」とSNSでコメントしている自信作のよう。さらに後日、『カラー・パープル』が加わっている。
このリストはオスカーを予想するために作られたものではなく、あくまでもオバマ元大統領の好みだが、やはり賞レースの常連作品がずらりと揃っている。『The Holdovers』のポール・ジアマッティと『オッペンハイマー』のキリアン・マーフィー、『アメリカン・フィクション』のジェフリー・ライトは甲乙つけ難いほどの名演を披露しているし、全員が主演男優賞に値する。『The Holdovers』のダヴァイン・ランドルフ・ジョーンズは、オバマ元大統領も支持しているようだし、助演女優賞は約束されたも同然? 外国語映画賞候補ではなく、監督賞や女優賞など5部門で候補となっている『落下の解剖学』や、主演のグレタ・リーが主演女優賞候補にならなかったのが話題になった『パスト・ライブス/再会』、世界が注目する是枝監督の『怪物』といった映画通が好む作品をあげている。