【速報】“ジョッキでビール8杯” その後もハシゴ酒…飲酒運転の男に懲役12年の実刑判決 全盲の息子に付き添っていた母親 忘年会帰りの車にはねられ死亡 男は裁判で“新しく買った車見せたかった” 自らも重傷の息子は涙こらえ「求刑通りの刑が出たよと報告したい」
去年12月に大阪府岸和田市で、飲酒運転により親子2人をはね死傷させた罪に問われていた男に、大阪地裁堺支部は9月24日、検察側の求刑通り懲役12年の実刑判決を言い渡しました。 判決言い渡し後、母親を事故で失い、自らも重傷を負った全盲の男性は、涙ながらに「求刑通りの刑が出たよと報告したいと思います」「なるべく“事故前の自分”を取り戻すということをしていきたい。そうすることで母親も安心してくれるだろうと思います」と語りました。 【画像を見る】初公判の法廷での被告の様子は?
親子2人が死傷 死亡した母親は全盲の息子に付き添っていた…
判決によりますと岩井拓弥被告(31)は去年12月、岸和田市の道路で乗用車を酒に酔った状態で運転。対向車線脇の路側帯に時速約56kmで突っ込み、歩行者の親子2人をはね、母親の大久保春江さん(当時82)を死亡させたほか、息子の大久保孝之さん(51)にも外傷性くも膜下出血などの重傷を負わせました。 全盲で白杖をついて歩いていた孝之さんに春江さんが付き添い、2人でJR阪和線の駅に向かっていた際に事故は起きました。
1軒目ですでにビール8杯 その後もスナックやダーツバーでハシゴ酒…
危険運転致死傷の罪で逮捕・起訴された岩井被告は、これまでの裁判で「間違いありません」と起訴内容を認めていました。 裁判で明らかになった事実をまとめると、岩井被告は事故前日の夜、知人らとの忘年会に車で向かいました。1軒目に居酒屋、2軒目と3軒目にスナック、4軒目にダーツバーと、計4軒の飲食店で飲酒。1軒目ですでにジョッキで8杯ほどのビールを飲み、その後もビールや焼酎を飲んだといいます。 そして、車で帰宅する際に今回の事故を起こしました。呼気検査からは、事故時に被告は、酒気帯び運転の基準(0.15mg/ℓ)の4倍以上にあたる、呼気1ℓ中0.69~0.85mgのアルコールを体に保有していたと考えられるといいます。
「車を買ったばかりで、正直見せたいという気持ちがあった」
被告人質問で岩井被告は、忘年会に車で向かったのは“車を知人に見せたかった”などの理由があったと説明しました。 (9月18日の被告人質問) 弁護人「なぜ車で行ったんですか?」 被告 「家の掃除とか洗濯、家事が(出発ギリギリまで)あったというのと、車を買ったばかりで、正直見せたいという気持ちがあった」 また岩井被告は、当初は帰宅時に運転代行業者のドライバーを呼ぶつもりだったといいます。 弁護人「家を出る時は、代行を呼ぶつもりだったという理解で間違いないですか?」 被告 「はい」 検察官「素面(しらふ)の時に代行を呼ぶつもりだったとしても、お酒を飲んだら気が大きくなりますよね?どうして代行を呼ぶと、自信が持てたんですか?」 被告 「普段からずっと、当たり前のように呼んでいたので」 しかし、被告は運転代行業者の電話番号を、携帯電話に登録していませんでした。 裁判官「なぜ携帯電話に登録しないんですか?」 被告 「常に名刺を持ち歩いていたので、登録する必要性を感じませんでした」 裁判官「結局代行を呼ばなかった理由は、今も思い出せないんですか?」 被告 「はい」