福島第1、年度内デブリ採取断念 延期3回目、10月開始に変更
東京電力が、2023年度中を目指していた福島第1原発2号機の溶融核燃料(デブリ)の採取開始を断念したことが25日、関係者への取材で分かった。今年10月までの開始を新たな目標とする。最初にロボットアームを使う従来工法も見直す。処理水は、24年度に計約5万4600トンを7回に分けて海洋放出する計画であることも判明した。 【イメージ図】福島第1原発2号機のデブリの状況
デブリ採取の延期は3回目。早急、確実にデブリを採取するため、まずは伸縮式のパイプを使用するとしている。工法の変更に伴い、原子力規制委の審査を受ける必要がある。 東電は、最長約22mに伸びるアームを原子炉格納容器側面の貫通部から差し込み、ごく少量のデブリの採取を計画。ただ貫通部は、事故前からあるケーブル類のほか、事故時に流れ込んだ堆積物でふさがっており、アームを投入できない。東電は1月から除去作業を進めているが、時間がかかる見通しとなった。 デブリ取り出しは第1原発廃炉の最難関。当初は21年中の予定だったが、コロナ禍の影響や、アームの改良に時間を要し、延期が繰り返されていた。