父の相続手続きが大変だったので、母は生前から家の中や金融機関の整理をしていますがうまくいきません。手続きを楽にするためになにかやっておくことはありますか?
金融機関名を知ろう
自分の親がどういった金融機関と取引をしているかを、すべて知っている子は少ないです。親といっしょに暮らしているとある程度の想像はつくけれど、社会人になって実家を出たという人にとって、親がどの金融機関と取引をしているかは把握しにくいでしょう。 そこで、まずは親が取引をしている金融機関を教えてもらいましょう。教えてもらうといっても残高を聞く必要はありません。金融機関名と支店名を聞くだけで、難しければ金融機関名だけでも聞いておきましょう。 相続手続きをするときに、金融機関名さえ分かれば、支店名が分からなくても調べてもらえるので、とにかく金融機関名だけは親に確認しておきましょう。
親との会話を大切にしよう
親と過ごせる時間は、思っているよりも少ないです。よく考えてみてください。年に何回親と会っていますか? その会っている時間は何時間ですか? 親が残り何年生きられそうかを考えると、おのずと親と過ごす残り時間が分かります。 親が元気なうちに親と会話をしながら、親が家に保管しているものへの思いを聞いて、最終的に処分するのか引き継ぐのかを決める、取引している金融機関がいくつもあるのであれば親に1~2個にまとめてもらえないか相談してみるというのもよいでしょう。 「相続手続き」というのは、「人が亡くなる」ことから始まります。親は子から「相続手続きが大変にならないように○○をしてほしい」と言われると、「亡くなることを想定して○○してほしい」と言われたように感じ、悲しさを感じ話し合いにならないこともあります。 しかし先にも書きましたが、「親と過ごせる時間」には限りがあります。「相続のため」というのはありますが、何よりも大切な時間を楽しく過ごすために、これからのことを話し合い、お互いが過ごしやすくなることが一番ではないでしょうか。 執筆者:秋口千佳 CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士
ファイナンシャルフィールド編集部