「酒さ」に悩む 顧客 に向けて、最適な商品選びと疾患の認知度アップを目指す方法
厳格な臨床試験と審査で製品を承認
認証シールを申請するためには、ブランドは自社製品に関する30人規模の厳格な臨床試験とメーカーのデータシートを提出しなければならない。それらは匿名の独立した皮膚科医チームによって審査される。このチームを監督する臨床および研究皮膚科医でNRS理事会の一員でもあるゾーイ・ダイアナ・ドレイロス医師(MD、FAAD)は、「全プロセスが学術的で独立したものでなければならないので、匿名となっている」とGlossyに話した。 申請料は1500ドル(約22万円)だ。ハフ氏いわく、一度認可されるとシールのライセンス料として、企業の収益に応じて年間2500ドル(約37万円)から1万ドル(約148万円)かかるという。ライセンス期間は2年間で、製品に変更がなければ自動的に同じ料金で更新される。 承認が下りたら、NRSはプレスリリースを通じて製品の新しいシールを宣伝し、承認された製品をデータベースに追加する。Glossyが話を聞いたブランドは、製品ページ、ソーシャルメディア、顧客向けeメールマーケティングのほか、店内の陳列棚やパッケージにシールを追加し、製品が承認されたことを宣伝する予定だという。これには新しい二次パッケージやディスプレイに多額の投資が必要になる可能性がある。 スキンフィックス(Skinfix)の創業者兼CEOのエイミー・ゴーディニール氏はGlossyに対し「2024年後半にセフォラ(Sephora)の店舗にこのシールを導入予定だ。今後のさらなる展開に注目してほしい」と語った。
全世界で4億1500万人以上の患者がいる「酒さ」
ドレイロス医師は、認証シールによって酒さ患者に適した処方に焦点を当てることで、赤みを抑えて炎症を鎮め、肌を落ち着かせて、バリア機能を改善するスキンケア技術を開発する企業が増えることを期待している。 「酒さを誘発しないように製品を処方できるだけでなく、ブランドは酒さを改善し、処方治療後のメンテナンス製品として機能する処方、あるいは本当に軽度の酒さの人々向けの処方を提供することもできる」とドレイロス医師。「(私たちが承認しているような)OTC製品を使用するだけでよい患者もいる」。 米国皮膚科学会(American Academy of Dermatology)によると、データが入手可能な最後の年である2013年には、160万人以上が酒さの治療を受け、その年の酒さの治療にかかった総医療費は1億6500万ドル(約244.8億円)だった。 英国皮膚科学会誌(British Journal of Dermatology)によると、酒さは全世界で4億1500万人以上、つまり約5.46%の人々に影響を及ぼしている。米国皮膚科学会によれば、米国人の約1600万人が罹患している。