「mixi2」で元に戻れる?SNSが牧歌的だった時代の終焉とAIの脅威
従来のSNSは独自のエコシステムによる囲い込みで発展してきましたが、このモデルでは情報の偏向や分断を助長する課題がありました。Blueskyは、オープンな「ATプロトコル」を採用し、ユーザーが自身のデータやアルゴリズムをコントロールできる仕組みを提供することで、この問題に対応しようとしています。 アルゴリズムの透明性も重要な課題です。SNSのアルゴリズムは一般に公開されておらず、この不透明性がエコーチェンバー現象やフェイクニュースの拡散を助長しています。プラットフォームは、アルゴリズムの基準を明確にし、ユーザーが情報の流れをコントロールできる仕組みを導入すべきです。 ● 昔ながらの“優しい”SNSに 満足できるのか また、メディアリテラシーの向上も欠かせません。SNSユーザーには情報の真偽を見極めるスキルが求められ、教育機関や企業はフェイクニュースへの耐性を高めるプログラムを提供する必要があります。 Blueskyやmixi2のような新しい試みへの期待はありますが、まだまだ未知数のプラットフォームということもあり、SNS全体の課題を解決するにはまだ時間がかかります。私たちはSNSに過剰な期待を抱くべきではないと考えます。また、現代のSNSに慣れきってしまった私たちが、昔ながらの“優しい”SNSに満足できるかどうかにも疑問が残ります。SNSが牧歌的だった時代は、もう過去のものなのかもしれません。 むしろ、SNSの負の影響に備え、自ら情報の受け手として批判的な視点を持つことが求められます。未来のSNSがどのように変化するかは不透明で、場合によっては正しくない方向に進む可能性もあります。その中で、私たちは適切にSNSと向き合い、自分たちの価値観を守る姿勢が必要です。SNSに振り回されるのではなく、賢く活用し、距離を取る選択肢も含めて、私たち自身の判断が重要になります。 (クライス&カンパニー顧問/Tably代表 及川卓也、構成/ムコハタワカコ)
及川卓也