「インターネット債券」のイーサリアム、FRB利下げで3000ドルを超える可能性
イーサリアムブロックチェーンのネイティブトークンであるイーサリアム(ETH)は、投資家の選好から外れていた利回りを生み出す暗号資産(仮想通貨)だが、米連邦準備制度理事会(FRB)が予想通りに金利引き下げを実施すれば、11月7日に急騰する可能性がある。 ※編集部注:現地時間7日に予想通り0.25%の利下げが行われました。 時価総額2位の暗号資産であるイーサリアムは今年23%上昇しているが、これは時価総額1位のビットコイン(BTC)の77%の上昇に比べると少ない。 本記事執筆時点で2800ドル(約43万4000円、1ドル155円換算)のイーサリアム価格は、2021年のピーク4868ドルを大きく下回っている。一方、ビットコインは、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏がアメリカ大統領選挙で勝利に近づいた11月6日に記録した史上最高値に近い7万4000ドル(約1147万円)付近で取引されている。 ビットコインよりもパフォーマンスが悪い理由の1つは、アメリカの高金利だ。これがイーサリアムのインターネット債券としての魅力を損なっている。イーサリアムは、ステーキングの見返りに債券のような利回りを提供している。年率換算のステーキング利回りは過去2年間一貫して4%を下回っており、アメリカのベンチマーク金利の5%をはるかに下回っている。 連邦公開市場委員会(FOMC)は、9月に50ベーシスポイントの大幅な利下げを実施した後、今回は金利を25ベーシスポイント引き下げて4.5%にすると予想されている。 言い換えれば、イーサリアムと米金利の利回り差がイーサリアムに有利に縮小し、イーサリアムへの需要を活性化させる可能性がある。暗号資産に好意的なトランプ候補の大統領選挙での勝利により、イーサリアムと分散型金融(DeFi)コインの反発の舞台がすでに整っている。 イーサリアムは現在、5月からの下降トレンドを特徴づけるトレンドラインを超えようとしている。利下げでこのブレイクアウトが確認される可能性があり、3000ドルを超える上昇への道が開かれるかもしれない。 フェデラル・ファンド金利先物によると、金利トレーダーはすでに利下げを織り込んでおり、いわゆる金融緩和がビットコインのようなマクロ資産に大きなプラスの反応をもたらさない可能性がある。 しかし、トレーダーはトランプ氏のインフレ誘発的な政策に対するFRBの苦悩の兆候に注意を払う必要がある。今後数カ月間の利下げペースの鈍化や一時停止を意味する可能性があるからだ。 |翻訳・編集:林理南|画像:Senate Banking Committee|原文:Ether, Touted as Internet Bond, May Top $3K on Fed Rate Cut, Outperform Bitcoin: Omkar Godbole
CoinDesk Japan 編集部