【独自解説】片山前副知事の元幹部職員への聞き取り調査はまるで“手慣れた捜査” 盗聴まがいの手法も、法律違反認識していなかったのか?疑惑を持たれた側が犯人捜しをする異常事態
さらに、脅しのようなやり取りもありました。 -(片山前副知事) -「名前が出てきた者は、一斉に嫌疑かけて調べなしゃあないからな。一般的に言うたらな、名前出てきた者は、皆、在職しとるということだけは、忘れんとってくれよな。まぁ手始めに調査対象のA氏あたり、危ないと思うんやけどな。(昇級)どないしようかいなと」 -(元幹部職員) -「それは、調べてもらったら」 Q.これは、人事権を振りかざしていて、完全にアウトですよね? (亀井弁護士) 「これは脅しです。今時取り調べで、これはできないです。正直言うと、昔はこういうことをやっていましたが、『他の家族や友人にプレッシャーをかけるぞ』と脅して自白を取るということは、今ではとてもできないような取り調べです」
■なぜ“犯人捜し”が始まったのか?知事「徹底的に調べてくれ」 第三者委員会は「時間がかかる」と否定
斎藤知事と片山前副知事がこのような初期対応になった経緯ですが、2024年3月、報道機関に「告発文」が配布されると、片山前副知事は知事室に呼び出され、斎藤知事から「徹底的に調べてくれ」と言われたといいます。百条委員会で片山前副知事は、それを「“告発者捜しの指示が出た”と受け止めた」と答えています。 また、百条委員会の証言などによると、当初複数の幹部職員が「第三者委員会を立ち上げるべきだ」と進言していましたが、斎藤知事が「時間がかかる」と拒否したため、『内部調査』で告発者の特定を進めたということです。 Q.第三者委員会に委ねるという方法も、あったわけですよね? (亀井弁護士) 「本来は、そうするべきです。自分のところで囲い込むのではなく、客観的な判断ができて、調査ができる機関にやってもらうのが本筋です。自分の保身のために潰そうとするから、こういう展開になるんです」
■亀井弁護士「盗聴のような手法で秘密の情報をだまし取るのは相当問題」と指摘
聞き取り調査を終えた元幹部職員は同じ日、調査対象のA氏に電話をしています。そのとき、A氏は事情聴取の最中で、取り調べを担当した県職員からスピーカー通話にするように指示され、元幹部職員とA氏の間のやり取りを県職員が聞いています。 -(元幹部職員) -「片山副知事(当時)が来て、取り調べ受けて、調べていたことあって、このあいだ、それを文章にまとめたみたいなことをしたんやけど、それがバレて」 -(調査対象A氏) -「えっ、(元幹部職員)がやったんですか」 -(元幹部職員) -「そうそう、Aちゃんが繋がっているんじゃないかと、いろいろ勘ぐっていたから、ちょっと気にしとって」 -(A氏) -「それって警察にまいたんですか?」 -(元幹部職員) -「警察と議会とマスコミ。消そうと思ってんやけどなぁ、そこで取られてもうてな」 Q.スピーカー通話にするように指示することは、問題ないのでしょうか? (亀井弁護士) 「これは相当問題だと思います。いってみれば、捜査の過程の中で秘密をだまし取ると言うことです。形は違いますが、盗聴のようなものです。重要な人の秘密をこのような不適切な方法で取るというのは、相当問題があると思います」
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