インパクトでフェースをスクエアにするのは間違い!? その理由を馬場咲希のコーチが解説【謎キャラコーチ『わきゅう』の気になる話♯71】
一昨年の全米女子アマを制し、23年12月のプロテストで合格した馬場咲希プロを、中学1年から指導しているのがプロコーチの坂詰和久(さかづめかずひさ)、通称『わきゅう』だ。坂詰コーチと20年以上の付き合いがあるベテラン編集者Oが、謎キャラコーチの気になる話を聞き出す。今回は「スウィング軌道のつづき」がテーマだ。 小祝さくらのスウィング軌道が理想的!?【最新連続写真】
O編 前回の話では、ナイスショットをしても、ミスショットをしても、体に対する軌道は、ほとんど変わらないってことだったよね。インサイドアウト軌道の人がアウトサイドインになったり、アウトサイドイン軌道の人がインサイドアウトになったりすることはないと。 坂詰 それどころか、意識的に変えようとしても、軌道ってほとんど変わらないんです。それは、プロもアマチュアも一緒なんですよ。もちろん、素振りで無理やり軌道を変えようとすれば別ですよ。でも、球を打とうとした瞬間、いつもどおりの軌道に戻っちゃう。そのくらい軌道というのは変わりにくいものなんです。 O編 それに対して、インパクトのフェース向きは、プロでも常に一定ではないって言ってたよね。 坂詰 そうですね。トラックマンを使って計測すると、ツアープロでも、インパクトのフェース向きには結構バラつきが出ますね。 O編 それって、球が曲がる原因は、軌道ではなく、インパクトのフェースの向きにあるってことだよね? 坂詰 そういうことです。よく、球が曲がると「クラブが外から下りた」とか、「インから入った」なんて言うじゃないですか。でも、軌道なんてほとんど変わらない。球が曲がるのは、フェースの向きがよくなかっただけなんですよ。 O編 昔は、左に打ち出されたらアウトサイドイン軌道、右に打ち出されたらインサイドアウト軌道だって言われてたよね。 坂詰 ええ。でも、計測器の進化によって、それは間違いだとわかったわけです。球の打ち出しは、ミドルアイアンならフェース向きの影響が75%、軌道が25%。ドライバーならフェース向きの影響が85%、軌道が15% の割合で決まります。ですから、球が右に打ち出されたらインパクトでフェースが開いた。左に打ち出されたらフェースが閉じた、と考えてほしいんですよ。 O編 ゴルファーが勘違いしてることって、ほかにもありそうだね。 坂詰 あります。たとえば、みんな、インパクトではフェースをスクエアにするのが正解だと思ってるじゃないですか? でも、インサイドアウトでドローを打つなら、インパクトでフェースは開いて当たるべきだし、アウトサイドインでフェードを打つなら、フェースは閉じて当たるべきなんですよ。 O編 あぁ、ドローの人がスクエアにインパクトしたら、真っすぐ出て左に曲がるし、フェードの人がスクエアにインパクトしたら、真っすぐ出て右に曲がる。どちらもコントロールしにくい球になるってことだね。