第93回選抜高校野球 北海に歓喜の春 10年ぶり吉報、活躍誓う /北海道
<センバツ高校野球> 29日に開かれた第93回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)の選考委員会で、2020年秋の全道大会を制した北海(札幌市)が10年ぶり13回目の出場を決めた。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大で中止となり、選手は2年ぶりに開かれるセンバツでの活躍を誓った。大会は2月23日に組み合わせ抽選があり、3月19日に阪神甲子園球場で開幕する。【三沢邦彦、真貝恒平】 今年で野球部の創部から120周年の節目を迎える北海に吉報が届いたのは午後3時37分。秋山秀司校長は、センバツ出場を知らせる電話連絡に「ありがたくお受けします」と応え、室内練習場で待つ野球部員に「北海道代表として堅実かつはつらつとしたプレーを見せてもらいたい」とエールを送った。 選手たちは真っ白な雪に覆われたグラウンドで帽子を投げたりして喜びを分かち合った。主将の宮下朝陽(あさひ)(2年)は「選手は全員が自主性を持つようになってきた。個人の力とチームの力を上げ、甲子園で素晴らしい結果を残したい」と気を引き締めた。 昨秋の全道大会で準決勝と決勝で2試合連続の完封劇を演じたエース左腕の木村大成(同)は「一人がずば抜けているチームではないが、全員が役割を理解している。甲子園でもテンポのある投球でゼロに抑えたい」と活躍を誓った。 10年ぶりのセンバツ出場にチームを率いる平川敦監督(49)は「新型コロナウイルスの影響で計画的なチーム作りはできなかったが、ベストの状態で試合ができるように今できることに取り組みたい」と意気込んだ。 春・夏通算51回目の甲子園出場。伝統を積み重ねてきた名門校が新たな歴史の1ページを刻む。 ◇エース防御率0.34 北海は昨秋、最速145キロのエース左腕・木村大成(2年)が、札幌地区から全道大会までの9試合中7試合に先発し、防御率0・34の安定感をみせた。全道大会では準決勝で知内を被安打3、10奪三振、決勝は旭川実を被安打2、11奪三振で2試合連続で完封。チームは全道大会の5試合で無失策、1失点と伝統の堅守で10年ぶりに秋の頂点に立った。 打線は全道大会までの9試合でチーム打率3割5分7厘。全道大会決勝の旭川実戦では、3番・江口聡一郎(2年)が試合を決定づけるソロ本塁打を放ち、全道大会で2本塁打をマークした。4番で主将の宮下朝陽(2年)は勝負強い打撃でけん引。9試合で犠打飛は29個と、選手は次打者につなぐ意識を共有し、高い攻撃力を発揮した。 ……………………………………………………………………………………………………… ◇春・夏甲子園で33勝 1885年創立の私立校で、野球部は1901年に創部。センバツは第35回大会(1963年)で道勢初の決勝進出(決勝は下関商に敗退)を果たした。夏の選手権大会には全国最多となる38回の出場を誇る。第98回大会(2016年)では決勝に進出(決勝は作新学院に敗退)した。春・夏の甲子園通算成績は33勝50敗。OBに元ヤクルト監督の若松勉さんらプロ野球に多くの人材を輩出している。 ……………………………………………………………………………………………………… ◇昨秋の公式戦結果 札幌地区Eブロック 1回戦 24-1 石狩翔陽 2回戦 12-2 札幌龍谷 3回戦 12-0 札幌啓成 決定戦 6-1 立命館慶祥 全道大会 1回戦 4-0 帯広農 2回戦 7-1 旭川大高 3回戦 10-0 札幌日大 準決勝 6-0 知内 決勝 1-0 旭川実