「大腸カメラ」で“腸に穴が開く”可能性があることをご存じですか? 合併症やリスクを医師が解説!
大腸内視鏡検査、いわゆる「大腸カメラ」は、大腸の内部をカメラで観察できる非常に優れた検査方法です。れっきとした医療行為ですが、合併症やリスクが伴います。今回は、大腸カメラの合併症やリスク、注意点などについて、「川越駅前ゆい消化器内科・内視鏡クリニック」の木村先生に解説していただきました。 【イラスト解説】「大腸がん」の前兆となる初期症状4選 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
内視鏡検査とは
編集部: そもそも、内視鏡検査とはなんですか? 木村先生: 口や肛門から、先端に小型のビデオカメラを搭載した直径1cm程の細長い管を挿入し、食道、胃、十二指腸、大腸などの粘膜を観察する検査です。胃カメラや大腸カメラのことを指します。視覚的に確認できるので、小さな病変でも比較的早期に発見でき、病変を詳細に観察して「質的診断」をできるメリットがあります。 編集部: 大腸カメラも内視鏡検査の一種ということですか? 木村先生: はい。大腸カメラは、下部消化管内視鏡検査や大腸内視鏡検査とも呼ばれ、肛門から大腸内視鏡を挿入し、大腸の粘膜を直接観察する検査です。スコープには穴が通っており、検査中に病変が見つかれば、先端から器具を出してその場で切除することもできます。 編集部: どのような病気がわかるのですか? 木村先生: 「大腸ポリープ」「大腸がん」「潰瘍性大腸炎」「クローン病」「虚血性腸炎」「大腸憩室症」などです。特に大腸がんの早期発見には大腸カメラが非常に有効で、定期的な検査によってがんのリスクを大幅に減少させることがわかっています。また、ポリープは進行すると大腸がんになる危険性があるので、医師の判断に基づき、必要であればその場で切除します。 編集部: 検査でポリープも切除できるのはすごいですね。 木村先生: しかし、あくまでも「早期に発見」できた場合です。早期発見できれば内視鏡的に切除することが可能ですが、進行してしまうと外科的手術で切除しなければなりません。また、隆起しているポリープは見つけやすいのですが、ポリープを介さないで直接粘膜にがんができるパターンもあります。その場合は、平坦や陥凹した形をしているため、発見がかなり難しくなります。そのため、定期的に検査を受けて早期発見することが重要です。