吉村界人が語る『地面師たち』出演の影響と最新作への思い
音楽、文芸、映画。長年にわたって芸術の分野で表現し続ける者たち。本業も趣味も自分流のスタイルで楽しむ、そんな彼らの「大人のこだわり」にフォーカスしたRolling Stone Japanの連載。2024年、話題になったドラマの一つがNetflixドラマ『地面師たち』だろう。ホスト役を演じた俳優・吉村界人が主演を務める最新映画『Welcome Back』。「一個人の内面的な勝敗に焦点を当てた」と語る、ボクシングロードムービーの魅力とは? 【撮り下ろし】ドラマ『地面師たち』でホスト役を演じた吉村界人 Coffee & Cigarettes 54 | 吉村界人 Netflix配信ドラマ『地面師たち』でNo.1ホスト楓を演じ、一躍脚光を浴びた吉村界人。これまでも様々な映画やミュージックビデオに出演し独特の存在感を放ってきたが、大根仁監督が手掛けたこのドラマは彼にとって大きなターニングポイントとなった。 「『地面師たち』の反響ですか? うーん、どうなんだろう……。そういえばさっき友人から『今度メシおごってよ』と連絡があったんですよ。『え、なんで?』と尋ねたら、『吉村界人の年収推定5000万』と書かれた記事を読んだからだと。……もう、ありえないですよ(笑)。そんなわけないじゃないですか。これまでずっと贅沢とは無縁の生活を送っていますからね」 そう謙遜する吉村だが、やはり『地面師たち』の反響は大きく街中で声をかけられることも増えたという。「ただ、名前まで覚えてくれている人は少ないですね。『あ、地面師の人』みたいに言われます(笑)。この役が決まったのも、たまたまマネージャーの勧めでオーディションを受けたから。運良く合格し、それが今につながっているんですよね」 彼にとってこれが初となる大根監督の現場は、他に類を見ない特別な体験をもたらした。「あるシーンで『ハンバーガー屋をやる』と夢を語るセリフがあるんですけど、何度やってもOKが出なかったんです。10テイク以上繰り返した後、監督に呼ばれて『全然ダメ』と言われた時は、何がどうダメなのか正直なところまったくわからなくて」と苦笑する。