年収700万円・36歳独身男性…「タワマンの契約更新」で「つい声を荒げて」しまったワケ
タワーマンション(以下、タワマン)とは、基本的に地上20階建て以上の居住用高層建物のことを指します。「お金持ちの住む家」というイメージが強いですが、実際にはどのような人たちが、どのような目的で住んでいるのでしょうか。実際の声を聞きました。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
「どうしてもタワマンに居たい」36歳男性に起きた悲劇
首都圏近郊のとあるタワマンに暮らす田中さん(36歳・男性/仮名)。年収700万円、月の手取りは38万円ほど。結婚はしていない。住まいに関してはこだわりが強く、「どうしても良い部屋に住みたい」との思いで、家賃20万円の1Kを選んだ。 「自炊が好きなので、食費は毎月あまりかかりません。光熱費が平均して1万円ちょっと。夏とか冬は少し高くなりますけど。掛け捨ての医療保険が大体6,000円。月10万円くらいは自由に使えるお金があります。貯金はしていない……というか、残高=貯金という状態です」 「タワマンに憧れていて、実際に暮らしてみたら大正解でした。僕のところにはラウンジ、ゲストルーム、スポーツジムがあります。コロナ前は、友人を部屋によく招いて楽しんでいましたね。20代のころ暮らしていたアパートは、それはもう壁が薄くて騒音が酷かったですが、タワマンならその心配もありません」 住んで良かった、と繰り返す田中さんだが、家賃20万円とは相当な金額だ。国税庁『民間給与実態統計調査』(令和4年分)によると、30代後半男性会社員の平均給与は549万円。ボーナスがある場合、月の手取りは27~8万円ほどだろうか。 給与の3分の1が家賃の目安であることを考えると、家賃は月9万円程度が同世代・一人暮らし男性の平均といえよう。 しかし猛烈な出費は気にならないのか、田中さんは「もうタワマンから出られない、と感じました」と語る。 「小さいころずーっとボロボロのアパートに住んでいたんです。洗濯機は外に置くものだと思っていました。家の目の前が砂利の駐車場で、車が止まる度にジャリジャリ音が聞こえるほどで。今でもあの音を聞くと懐かしく感じます」 「悪い思い出、というわけでは全くないですが、『大人になったら豪華な家に住みたい』という気持ちは幼いころから持っていました。実際(タワマンに)住んでみたら、想像通りやはり快適で。20代から着々と住まいのステップアップをして、ようやくたどり着いた場所だと感じました。家賃に不満はなかったんです」 しかし田中さん、先月まさかの事態に見舞われたという。