日本でアクティビスト投資ブーム、エリオットの成功に続け
ジェームズ・ローゼンワルド氏は、投資環境の変化を証明している。ロサンゼルスで46億ドルを運用するダルトン・インベストメンツ共同設立者の同氏は数十年にわたって日本に投資してきた。02年に同氏は帝国臓器製薬という会社の株を5%ほど取得した。何度も最高経営責任者(CEO)に面会を申し込んだが、いつも断られた。最終的にローゼンワルド氏は会社を非公開化する提案をしたが、CEOはその提案を拒否したと伝えられた。05年に帝国臓器製薬は他の日本企業と合併し、あすか製薬となった。
ローゼンワルド氏は23年にあすかの株式7.7%を取得した。同社では前CEOの37歳の息子が常務執行役員を務めていた。今回は、定期的な交流と提案への積極的な関与によって、以前とは全く違う対応を受けた。
「息子は私に会ってくれたし、私は彼が好きだ」とローゼンワルド氏は述べた。「この世代は父親の世代とはまったく違う。ダルトンの投資が公表されてから、株価も32%上昇した」という。
かつては経営陣の味方をする傾向が強かった機関投資家も、アクティビストと手を組むように立場を変えている。ニッセイアセットマネジメントの大関洋社長によれば、日本企業がバランスシートに多額のキャッシュを保有する傾向にあることが、投資家をいら立たせている。その資金が長期的な成長戦略やM&A(企業の合併・買収)のために使われていないのであれば、もっと投資家に資金を還元すべきだというアクティビストの意見に大関氏は賛同している。
エリオットが23年に大日本印刷の株式を取得し自社株買いの増額を迫った際、アムンディ・ジャパンはこのアクティビストを支援した。結局、大日本印刷は過去最高の3000億円の自社株買いを実施し、株主資本利益率(ROE)10%の目標を設定した。ブルームバーグがまとめたデータによると、エリオットは少なくとも51%のリターンを得た。
アムンディ・ジャパンの石原宏美株式運用部長は「エリオットが提起した懸念には積極的に対処しており、これらの点が大日本印刷が過小評価される主な要因であることに全面的に同意する」と述べた。