日本でアクティビスト投資ブーム、エリオットの成功に続け
「物事を強引に推し進めようとしたり、公にしたり、書簡を大量に送ったりするような、より硬派で攻撃的な活動形態は、好ましい方法ではないと思われる」とスミス氏は述べた。
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日本におけるアクティビズムの台頭は外国人だけの現象ではない。ここ数年、日本の物言うファンドの数も増えており、欧米の投資家以上に強硬手段に出るケースもある。その一例がストラテジックキャピタルだ。長年のアクティビストである丸木強氏が率いるこのファンドは、今月開催されるダイドーリミテッドの定時株主総会で社長ら現経営陣を退陣させるよう株主を説得しようとしている。「ブルックスブラザーズ」のスーツを日本で販売している衣料品メーカーの同社は社長を留任させようとしている。
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ストラテジックキャピタルが投資している中小企業では「役職員、従業員に優先順位をつける人が多い」と丸木氏は言う。中小では変わらない会社も多いため、アクティビストは「ビジネスとしてはまだ当分できる」と話した。
株主総会で働きかけることで、丸木氏はアクティビストの利点の一つを利用している。日本の少数株主は株主総会でかなりの影響力を持っている。議決権300票を持ちその株を少なくとも6カ月以上保有していれば、誰でも議案を提出できる。対照的に、米国では投資家は少なくとも1年間株を保有していなければならず、欧州では多くの国で最低持ち株数の基準がはるかに高い。
株主総会での決議には拘束力がある。そのため、企業の年次株主総会は重要であり、闘いの場となる。アクティビストは、資産売却や企業再編に関する議案で自らの立場を有利にしようとする。今年の年次総会では、アクティビストが自社株買いや経営陣の交代、資産(特に不動産)の売却をさらに働きかけることが予想される。
日本で42年間働いているアーカス・リサーチの共同設立者、ピーター・タスカ氏は「総会が論争の場になったのは、本当にここ2-4年のことだ」と言う。同氏が業界に入ったころは「どのように壇上に上がるか、誰が最初に壇上に上がるか、誰が発言したかという前例などに多くの注意が払われていた。当時と今とでは、実に驚くべき変化だ」と語った。