シタデル・セキュリティーズ、もはや米政府公認ディーラー目指さず
(ブルームバーグ): 米シタデル・セキュリティーズはウォール街で名誉あるステータスとされるプライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)の一員になる計画を見合わせている。
米国債取引で支配的な立場を目指す同社の幹部陣は、過去10年近くにわたって、ニューヨーク連銀と直接取引するプライマリーディーラーになることを目標達成への一歩と捉えていた。
しかしシタデル・セキュリティーズは米国債の主要なマーケットメーカー(値付け業者)としての地位を既に確立していることから、もはやプライマリーディーラーに認定される必要はないと考えている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
「シタデル・セキュリティーズは米財務省証券に投資する機関投資家にとって、最大級の流動性プロバイダーだ」と同社は電子メールでコメント。「中央清算への移行を含め、市場が民主化と進化を続ける中、最良の流動性へのアクセスを求める顧客はプライマリーディーラーの認定をそれほど重視しなくなっている」と続けた。
同社はペン・チャオ(趙鵬)最高経営責任者(CEO)の下で流通市場の活動を着実に拡大し、プライマリーディーラーに取引が義務付けられている米国債すべてを扱うようになった。その結果、米国債市場における同社の守備範囲は拡大。コーリション・グリニッチによると、1日当たりの平均取引高は過去10年間にほぼ倍増し、1兆ドル(約142兆円)を超える。
コーリション・グリニッチの市場ストラクチャー調査責任者ケビン・マクパートランド氏は「プライマリーディーラーでなくとも、米国債の流動性プロバイダーおよびマーケットメーカーとして成功することは可能だ」と指摘した。
原題:Citadel Securities Shelves Plan to Join Ranks of Fed Dealers (1)(抜粋)
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Liz Capo McCormick, Katherine Doherty