マカオの高齢者2人が電話詐欺被害…弁護士に扮した受け子の中国人逮捕
マカオ司法警察局は8月29日、マカオの高齢者を狙った特殊詐欺(電話詐欺)事案に関与したとして30代の中国人(中国本土居民)の男を逮捕したと発表。 同局によれば、同月28日、マカオ高齢女性から電話詐欺の被害に遭ったとする通報が寄せられたとのこと。同日朝、女性宅の固定電話に”娘婿”を名乗る人物から電話があり、相手は傷害事件の賠償金として急きょ現金12万パタカ(日本円換算:約216万円)が必要になり、追って弁護士が受け取りに行くので用立ててほしいと話し、女性はこれを信じて銀行へ現金を引き出した後、自宅近くで”弁護士”を名乗る男に手渡したという。 同日その後、再び”娘婿”から相手の負傷状況がひどく、追加で現金30万パタカ(約540万円)が必要になったと電話があったが、女性は銀行口座の残高が不足していたため、その旨を(本物の)娘に連絡したところ、詐欺被害に遭っていたことがわかり、同局へ通報するに至ったという。 通報を受けた同局が配備を敷いた後、容疑者が再び現金を受け取りに来たところを待機していた警察官が逮捕。この際、男は連絡に使用したとみられるスマートフォン2台と詐欺で得たとみられる現金5.6万パタカ(約101万円)を所持しており、その後の同局の捜査を経て、この女性被害者のほか、別のマカオの高齢男性1人からも同一の手法で6.6万パタカ(約119万円)を詐取し、2人の高齢者から詐取した現金のうち約13万パタカ(約234万円)をコタイ地区のカジノ施設内で仲間とみられる男に渡していたことが判明。 同局では、男を巨額詐欺罪で検察院送致するとともに、男から金を受け取った仲間とみられる男及び現金の行方について捜査を継続するとした。 マカオでは今年(2024年)5月以降、香港の犯罪組織が関与したとみられる電話詐欺事案が相次ぎ発生しており、同局は電話詐欺に関する累次の注意喚起情報を発出している。