これが森保ジャパン「対アジア最適解」のベストメンバーだ!
3つ目は移籍の問題だ。 「敗れたオマーン戦があったのは9月2日。欧州主要リーグの移籍市場が閉まる8月末に代表合宿期間が重なり、移籍交渉をしていた冨安健洋(アーセナル)や守田英正(スポルティング)は不参加。合宿に参加した選手でも、練習の合間に移籍情報の確認をするなど集中しにくい状況でした」 前回はさまざまな要素が絡んで大事な初戦を落としてしまったが、今回はその二の舞いにはならなそうだ。 「まず、今回は主要国の移籍市場閉幕後に代表合宿が始まるので安心です。また、今夏のパリ五輪ではオーバーエイジ枠を含め、A代表に影響のある無理な招集はしませんでした。前回の反省から、最終予選を重視しようという意図が見えました。選手たちも前回の経験を糧に、危機意識を持っているようです」 さらにアジアの戦いにおいて、森保ジャパンには別の不安材料がある。優勝を目指した今年1月のアジア杯でベスト8敗退という苦汁をなめた点だ。 "日本代表史上最強チーム"との呼び声も高かったが、5試合で8失点を喫するなど守備が崩壊。この原因について、戦術分析官としてYouTubeで人気を博し、クラブチームの監督も務めるレオザフットボール(以下、レオザ)氏が解説する。 「そもそも森保ジャパンはGKの出来に依存しがち。カタールW杯では権田修一(清水)が大当たりし、アジア杯では抜擢した鈴木彩艶(パルマ)の経験不足が如実に出てしまった。 その上で、確証のない週刊誌記事で伊東純也(スタッド・ランス)が大会途中で離脱。この点は森保監督も不運だったとは思いますが、選手たちから『(ピッチ内での)約束事をつくってほしい』という声が次々に上がっても着手せず、個々の能力に頼らざるをえないチームにしてしまった責任は森保監督にあると思います」 アジア勢の"引いて守って放り込むサッカー"に対応しきれなかったのも、個の力に頼り、守備での約束事がないからだとレオザ氏は語る。 「放り込んでくるチームへの対処法として、ボールの受け手に対するディフェンスラインの選手の対応力はよく議論されますが、同時に、パスの出し手に対して前線の選手がいかにプレッシャーをかけるかも重要です。 ただ、日本代表の場合はプレスをかける際の約束事がなく、効果的な守備にならない。約束事がひとつあるだけでハイプレスの効果は高まるのですが......」