「成功するチーム」が「あえて気まずい会話」をするワケ…「何の問題もない関係」こそ真の問題だ
社内に対立や衝突のない状態が理想だ、と思う人は多いかもしれない。しかし、Google、ピクサー、アメリカ海軍ネイビーシールズなどの最強チームを調査してきたダニエル・コイル氏によると、「成功したチームは意見の不一致などの緊張関係を歓迎し、イノベーションを生むエンジンとして活用している」という。 【一覧】これから給料が「下がる仕事」「上がる仕事」全210職種を公開 著書『THE CULTURE PLAYBOOK 最強チームをつくる方法 実践編』を上梓したコイル氏が、チームを強固にするための「4つのポイント」について解説する。
「問題が起こらない」のはよくない状況
おそらく、成功した文化にまつわるもっとも一般的な誤解は、みんな仲良しでハッピーで、ケンカも口論も失敗もほとんど起こらないというものだろう。 実際のところ、これほど現実からかけ離れている思い込みもめったにない。 成功した文化は、意見の不一致などの緊張関係を超越しているのではない。むしろそれを歓迎し、文化をさらに強固にするための燃料として活用している。 成功した文化を持つチームは、あえて気まずい会話を行うようにしている。意見の相違から目をそらさず、失敗をチャンスととらえる。なぜなら彼らは、チームの力の源泉は協力して問題を解決することにあるとわかっているからだ。 言い換えると、ハッピーで何の問題もない関係は、目指すべきゴールではない。それはむしろ、修正しなければならないバグだ。そのための方法をいくつか紹介しよう。 1. 問題が起こらないのはよくない状況だと心得る ミーティングを開いても、まったく質問も出なければ、意見の相違もないというのなら、これはよくない状況であり、非生産的だと指摘しなければならない。そもそも、みんなが同じ意見なら、わざわざ集まって話す必要などないではないか。 ポジティブなフィードバックしか出ないのであれば、フィードバックを求める意味はない。意見の相違や緊張関係は、避けるべき問題ではない。チームが協力して問題を解決する絶好のチャンスだ。