「成功するチーム」が「あえて気まずい会話」をするワケ…「何の問題もない関係」こそ真の問題だ
価値観の衝突はチームが成長するチャンス
4. チーム内でもっとも大きな懸案事項を特定し、それを活用する どんなチームでも、チームを根底から揺るがすような問題に直面することがある。 もしかしたら、それは「イノベーションか、それとも伝統か」(新しいやり方を試すべきか、それとも昔からのやり方を守るべきか?)という問題かもしれないし、「顧客とスタッフのどちらを優先すべきか」(いつ顧客の利益を第一に考え、いつメンバーのために行動すべきか?)という問題かもしれないし、あるいは「今すぐに成功することを目指すべきか、それとも将来のために投資すべきか」(目の前のプロジェクトを優先するか、それとも研究開発に集中すべきか?)という問題かもしれない。 こういった価値観の衝突があるのはネガティブな状況ではない。むしろチームが力を発揮する絶好のチャンスだ。 山登りにたとえるなら、これは急峻な崖であり、チームが力を合わせて登ることで突破口が開ける。問題を特定し、スポットライトを当てるのは、チームに対する明確なメッセージだ。 「たしかにこれはとても難しい問題だ。しかし、難しい会話から逃げることはせず、チームが協力して問題に取り組めば、それがチームの成功の助けになる。そもそも、これが簡単な仕事であれば、誰でもやっているだろう」というメッセージは、チームが前に進むエネルギーになるはずだ。
ダニエル・コイル(作家)