「成功するチーム」が「あえて気まずい会話」をするワケ…「何の問題もない関係」こそ真の問題だ
成功するチームにはアイデアの衝突がある
2. 人間関係が原因の衝突と、仕事が原因の衝突を区別する チーム内の衝突はすべて同じではない。人間関係が原因の衝突は、お互いの性格や人間性から生まれ、どちらも感情的になり、そしてほぼ例外なく非生産的だ。 一方で仕事が原因の衝突は、違うアイデア同士の衝突であり、イノベーションを生むエンジンになる可能性がある。 チーム内に何らかの緊張関係が存在したら、いつでも自分にこう尋ねる。「この緊張関係を、人間関係の衝突ではなく、アイデア同士の衝突にするにはどうすればいいだろう?」 3. 失敗について安心して話せるような環境をつくる 人は失敗をすると、本能的に失敗を隠そうとする。失敗から目をそらし、素知らぬ顔で前に進もうとする。 しかし、強固な文化を持つチームは、あえてその自然な流れの逆を行く。失敗を白日の下にさらし、記憶に刻み、将来の道しるべとして活用するのだ。失敗で明らかになった問題に注目し、人々を新しい道に送り出す。
失敗や間違いを恐れてはいけない
このテクニックをもっとも巧みに活用しているリーダーのひとりは、投票権活動家のステイシー・エイブラムスだ。彼女には3つのルールがある。 (1) 人々にストレッチアサインメント(本人の実力を超える仕事をあえてまかせること)を与える (2) ある程度の失敗や間違いはやむをえないと思っていることを伝える (3) 失敗から学べるような余裕を与える 「何かの問題の答えを知らなくても、それで厳しい罰を受けることはありません」と、アイコ・ベセアは「ビジネスインサイダー」に語った。ベセアはエイブラムスとともに、ジョージア州アトランタの政府評議会で働いている。 「だから私は、これまで失敗を恐れずに仕事ができています。失敗しても、叱られたり、恥ずかしい思いをしたりすることはないとわかっているからです。これは言ってみれば、チームのメンバーに、学んで成長するチャンスを与えるのと同じことです。 その根底には、『あなたが失敗するのはわかっている』という考え方がある。最初から失敗を織り込んでいるのは、メンバーの成長を期待しているからです。失敗から学び、成長してもらいたい、だからそのためのチャンスをあげましょうという気持ちが、そこにはあるのです」