全国自治体が移住受け入れアピール 大阪で「いなか暮らしフェア」
お盆休みをふるさとで過ごしながら当サイトをご覧の方も多いだろうが、都会を離れていなかで暮らそうとする人たちが増えている。全国の自治体が移住受け入れの熱意や態勢をアピールし合う「おいでや! いなか暮らしフェア」が大阪市中央区のOMMビルで開かれ、地方での暮らしに関心を持つ大勢の来場者でにぎわった。自治体側は「真剣な質問を受け反響が高かった」と手応えをつかみ、来場者からも「移住へ向けていろんな情報を得られて役立った」という声が相次いだ。 田舎暮らしをしたい人の割合増える、地方の人口流出に歯止めはかかるか?
全国の地域が移住受け入れの熱意や態勢を競い合う
この関西最大級の移住定住イベントは大阪ふるさと暮らし情報センターが主催し、北海道から沖縄まで全国約250地域が出展した。移住先人気調査でつねに上位を占める長野県からは県を始め複数の市町村が出展し、ブースを並べて来場者を待ち受けた。県担当者は「北陸新幹線の開通に伴い、大阪から北回りで長野とつながる新たなルートができた。県北部や東部への移住ニーズが高まるのではないか」と期待を寄せていた。 大阪人にとって、長野県は南北アルプスやスキーでおなじみ。ある担当者は「長野イコール大雪のイメージが強いようですが、一部の山岳地域を除いては、ひと冬に数回雪かきをする程度ですよと説明すると、安心されます」と、適度な雪国イメージへの軌道修正に努めていた。 一方、鹿児島県瀬戸内町(せとうちちょう)が、本格的な移住推進フェアに出展するのは初めて。大阪人は瀬戸内と聞けば、瀬戸内海を想像しがちだが、瀬戸内町は奄美大島の南西端部や周囲の島々で構成されている。担当者は「周囲は手つかずの大自然で、油井の豊年踊りなどの年中行事や伝統芸能が今も数多く受け継がれている。懐かしい日本の原風景が残っていることなどを、懸命に説明しています」と熱心に話す。 ブースを訪れた女性のひとりは瀬戸内町が気に入った様子で、「こんなところでお店を開きたい」と、希望を明かしたという。担当者は「町民がゼロから店を開くのは容易ではなく、町民たちもお店ができるとありがたい。店が実現できるようお手伝いをしたい」と、支援の構えを示す。店があれば人が集まり、交流に弾みがつく。関西人の商才が島に元気を与える契機になるかもしれない。