旧ジャニーズ事務所、性加害謝罪から1年 被害者「風化させるな」訴え
テレビは起用再開の動き
メディアも問われた。旧事務所が設置した「再発防止特別チーム」は被害拡大の背景に「マスメディアの沈黙」があったと批判。国連人権理事会作業部会の報告は、「メディア企業は数十年にわたり、不祥事のもみ消しに加担したと伝えられている」と言及した。 テレビ局は昨年9月7日の会見後、検証番組を放送。NHKとテレビ東京は、所属タレントの新規起用をやめていたが、1年を経てNHKの稲葉延雄会長は起用再開に前向きな考えを示し、テレビ東京は起用再開の方針を表明した。 今回の会見では、メディアの動きやメディアへの期待に関する質問も出た。 志賀氏は「まだ1年しかたっていない。もっと深掘りして対策を立てないと同じことが繰り返される。マスメディアは、うやむやにせず、事実真実をしっかり時間をとって伝えてほしい」。 中村氏は「スマイルアップの東山紀之社長は海外メディアの取材に『(自死した元メンバーの)遺族に連絡を取った』と言っているが、遺族は会ったことはないと言っている。問題に蓋をして進むのではなく、嘘の部分をしっかり報道してほしい」と述べた。 この問題に限らず、日本社会では全容解明・再発防止がおざなりで進むことが多々ある。「日本のために」という彼らの言葉、かみしめたい。
山田道子・ライター