「すべて監督の責任」5点差を守り切れず11対11の”ぐったりドロー”…なぜ横浜DeNA“番長”三浦監督は勝てないのか?
先発の上茶谷はコントロールが定まらず2回5失点で降板した。幸い失点には結びつかなかったが場内を唖然とさせるボーンヘッドもあった。3回二死一塁でヤクルトが盗塁を試みてきたが、セカンドのベースカバーが誰もいず山本は無人の二塁へ送球してボールはセンター前へ転々と転がり二死三塁のピンチを迎えたのである。盗塁のベースカバーは、事前に二遊間でどちらが入るかを決めておく。この時の打席には左の松本友。左打者の場合は、ショートの大和が入るのがセオリーだが、山本が投げた瞬間にカバーすべきポジションには牧がいた。開幕から慣れない一塁をずっと守ってきたが、この日は初めての二塁のポジション。どこかでコミュニケーション不足があったのかもしれない。 この日、ロッテが楽天に勝ったため開幕2カードを終えて12球団で白星がないのは横浜DeNAだけとなった。横浜の歴史を紐解いても、大矢明彦監督が途中休養に追いやられた2009年以来、12年ぶりである。それでも何も手の施しようがないような連敗ではない。 ソト、オースティンが開幕に間に合わず横浜DeNAのチームカラーである爆発的な得点力に不安を抱えてのスタートとなったが、ここまでチーム打率.292、得点31は、共にセ・リーグトップ。最後の打席で本塁打が出れば、新人では史上初となるサイクル安打達成という偉業に王手をかけていた牧が、3番打者として4戦連続のマルチ安打を含む打率.407、1本塁打、7打点と存在感を示し、主軸不在の穴を立派に埋めている。 三浦監督は、ヤクルト先発の左腕、山野に対して、中井、大和をラインナップに並べて攻略。8回二死二塁の勝ち越しチャンスには、左腕の坂本に対して、“3人目の捕手”の右打者の嶺井を代打に送った。結果にはつながらなかったが、やるべき手はすべて打っている。ひとつ何かが変わればオセロのように白黒が逆転する可能性がある。 「みんな明日こそはという姿勢で戦っている。しっかりと(敗戦を)受け止めてまずは1勝目と考えてやっています」 前を向く三浦監督は、初勝利に必要なものは何か?と聞かれて、「明日こそという前向きな気持ちだと思う」と繰り返した。 阪神3連戦を2勝1敗で勝ち越してきた広島を移動日無しでハマスタに迎え討つ今日2日のマッチアップは、濱口、大瀬良の開幕投手を務めた2人の予告先発となっている。