株価荒れる中、あなたの新NISAは大丈夫?元ファンドマネジャーがそっと指摘する「心配すべき人」とは#2
家計の損益計算は「記録ダイエット」に似ている。やればやっただけ痩せる
少し話が変わります。「レコーディングダイエット」をご存知でしょうか。食べたものを書き出して、摂取カロリーを計算するだけで痩せる、という優れものです。最近では「あすけん」など、アプリでできるものも人気ですね。 なぜ痩せるのか。これは人間の心理を利用したもので、例えば「シュークリーム300キロカロリー」とつけると、「これを食べると2時間ウォーキングしなきゃならない」と考えたりするようになります。もともと運動が好きで基礎代謝以上にカロリーを消費する生活習慣があればダイエットする必要はありません。「ダイエットしたい、だけど運動も大変、だったらシュークリームやめとこか」と考えるところがミソで、レコーディングすることで摂取カロリーを減らす効果が期待できるのです。 これは「家計簿をつけるとお金が貯まる」の応用編です。家計簿をつけると、何にお金を使っているか分かります。トイレのタンクにペットボトルを入れる貧乏臭さや、底値表を作ってスーパーを渡り鳥するかつての専業主婦モデルの節約よりも、いくら何に使っているか分かることで無駄な出費を減らすことができます。タバコやラテマネーが代表的ですね、年10万円ですと夫婦2人で20万円、これを30年続ければ600万円貯蓄できますから、なんと巷間で話題になっている「老後2000万円問題」が1400万円にまで減ることになります。 これが家計の損益計算書です。税引き後の収入がいくらか、家計簿をつけることで支出の額が分かり、年間でいくら黒字(または赤字)なのかが分かります。ダブルワークなどで収入が増やせればもちろんよし、支出の項目をまとめて年間いくら使ってよいか考えると、意外に節約にもなります。 家計簿にはそれ以上の効果があります。何にいくら使っているか分かることで、将来に必要なお金がぼんやりながら見えてきます。それが見えるようになると将来の消費額が予想できることで、年間いくら貯蓄や投資に回るかが計算できる、更にそれを積み重ねていくと、将来の運用資産額が推計できるというのがポイントです。これは次回の「2.ライフプランとキャッシュフロー表」で詳しくご説明します。