井上&八重樫に米国進出と4階級制覇の夢プラン
ボクシングのWBO世界Sフライ級王者、井上尚弥(22、大橋)と、元2階級王者でIBF世界ライトフライ級8位の八重樫東(32、大橋)のダブル世界戦の調印式並びに記者会見が27日、千代田区のホテルで行われ、出場4選手は、それぞれ試合に臨む意気込みを語り、陣営が、井上の米国進出、八重樫の4階級制覇という夢プランを暖めていることが判明した。 昨年末の衝撃の戴冠劇の後に拳を痛め、1年ぶりの防衛戦となる井上は、同級1位のワリヒト・パレナス(32、フィリピン)との指名試合。「勝っているのはスピード。判定でKOでも、やっぱり井上だと思われる試合を」と、結婚したばかりのチャンピオンが強気に語ると、一方パレナスも、「スピードは井上かもしれないが、パワーで上回って倒す。井上にとってもハードな試合になる」と、やり返した。 ウォーズ・カツマタのリングネームで、日本のリングに上がっていた逆輸入ボクサー。戦績は、23勝20KO6敗とKO率が高く、11月中旬から来日して調整中でアウエーの不利はない。 チーフセコンドには、2年前からコンビを組んでいる阪東ヒーローが付く。現役時代にエドウィン・バレロら井上に負けず劣らない強打者との試合経験のある元日本ランカーである。 「距離の取り合いになると素早い出入りをされて勝てないと思う。井上が“こう来るだろう”と考えている展開とは違うスタイルを見せて驚かせますよ。こちらも引き出しは多いので」と言う。 挑戦者が、番狂わせを起こすならば、リーチ差とキャリアの差をどう活かせるか、だろう。右拳への不安と1年ぶりというハンディを背負う井上にとって最強の挑戦者であることは間違いない。 井上には、すでに本場・米国からオファーが舞い込んでいる。八重樫も歯が立たなかった軽量級の怪物、ローマン・ゴンザレス(ニカラグア)がスーパーフライに階級を上げてくるのを見込んでの米国プロモーターからの井上のラスベガス登場プラン。その夢実現のためにも負けられない試合だ。