挑戦者の八重樫（左）とIBF王者のメンドサ（右）

　激闘王、八重樫も、1年ぶりの世界挑戦。昨年末のペドロ・ゲバラ（メキシコ）とのWBC世界ライトフライ級王座決定戦で、ボディを効かされまさかのKO敗戦。計量後のリカバリーに失敗したのが敗因だった。あえて今回も、大橋会長に直訴する形で、そのライトフライ級で3階級制覇をかけての挑戦となった。 「気持ちと気持ちのぶつかりあいになる」 　静かに八重樫が抱負を語ると、IBF世界ライトフライ級王者のハビエル・メンドサ（24、メキシコ）も、「死ぬ覚悟で来い！おれも命がけが戦う」とやり返した。 　メンドサは、八重樫が不得意とするサウスポー。ダメージブローにはならないが、嫌らしいくらいに右のリードブローを打ってきて、ボクサーにもファイターにもなれる。八重樫の勝機は、“潰すインファイト”にしかなく、ファンにとっても見ごたえのある試合になることは間違いない。 　ライトフライには、大晦日に防衛戦を行うWBAの田口良一（ワタナベ）、八重樫が負けたゲバラからベルトを奪ったWBCの木村悠（帝拳）と2人の日本人王者がいるが、八重樫が3階級制覇に成功した場合、統一戦の路線ではなく、スーパーフライに2階級上げて、日本人初の4階級王者に照準を絞りたいのが大橋会長の考えだという。 　 　（文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社）