「1ドル=144円」割れ寸前で〈円高トレンド〉到来の気配も…為替のプロが「141円台の安値更新」を否定するワケ
今週の注目点=9月FOMCの利下げ幅を見極める展開
先週公表された7月FOMC議事録や、ジャクソンホール会議でのパウエル議長の発言などを受けて、9月FOMCでの利下げはほぼ確実視されたようです。 今後は、今週発表予定のPCEコアデフレーターなどのインフレ指標、そして、9月6日発表予定の米8月雇用統計などの結果を受けて、9月FOMCの利下げ幅が0.25%にとどまるか、それとも0.5%以上の大幅なものになるかを見極めていくことになりそうです。 すでに見てきたように、米金利は目先的にはやや「下がり過ぎ」の懸念もあるため、大幅利下げ観測が後退した場合、「下がり過ぎ」の修正で上昇する可能性はあります。ただし、9月利下げの流れはほぼ確実になっていることから、米金利上昇の場合でも、おのずと限度があるのではないでしょうか。 米ドル/円は、先週も144~148円と約4円のレンジで推移するなど、依然としてボラティリティの高い、活発な値動きが続いています。 上記を踏まえ、4円程度の比較的大幅なレンジでの展開が続くとすれば、今週の米ドル/円の予想レンジは、142.5~146.5円で想定します。 吉田 恒 マネックス証券 チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長 ※本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は筆者の個人的な見解を示したものであり、筆者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、筆者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。
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