巨大ITデジタル課税の実現促す G20、初の宣言も期限示せず
【リオデジャネイロ共同】日米欧の先進国に新興国を加えた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は26日(日本時間27日)、ブラジル・リオデジャネイロで2日間の討議を終え閉幕した。巨大IT企業を念頭に置いたデジタル課税の実現に向けて多国間条約の早期署名を促すことなどを盛り込んだ国際課税の宣言を初めて公表した。ただ、署名の期限は示せなかった。世界経済などに関する共同声明も採択した。 国際課税の宣言文書では、デジタル課税について「できるだけ早期に(実施に向けた)多国間条約の署名が可能になるよう促す」とした。2月の議長総括では6月末までの署名を目指すとしていた。デジタル課税は事業拠点がない国や地域も、利用者がいれば売上高に応じて法人税を受け取れるようにする。米大統領選で、減税姿勢を示すトランプ氏が返り咲けば、国際的な議論が停滞する懸念もある。 デジタル課税などは「速やかに実施することを決意している」と明記。「公正な世界、持続可能な地球、より安定的で公平な租税制度を構築する」と強調した。