広島ドラフト3位の苦労人 “巨人・菅野の球拾い”がプロへ
■努力を重ねアマNo.1の内野手に 大学日本代表選考合宿では球拾いだった選手が、ここまで急成長を遂げた理由はどこにあるのだろうか。 「社会人になってプレーが大人になったというか、今まで以上に責任感が強くなりました。お金を貰ってプレーしている部分や、会社の代表というものを背負って戦っていくうちに、精神面で成長できました。自分のプレーよりもチームの勝利を優先させたら、それが逆に、自分のためにもなりました。大学時代は『どうしてもプロに行きたい!』という気持ちが強すぎて我が出てしまったり、或いは結果を欲しがって小さくまとまりすぎてしまっていたんです。空回りばかりしていましたね」 さらに、こう続ける。 「技術面では大学時代から送球の弱さが一番の課題だったので、ネットスロー主体に基本の反復練習を丁寧にしていきました。そのおかげで強い送球ができるようになりました。ノックでは、打球の入り方や動作を一から見直し、一つ一つの動きをちゃんと意識して身体に染み込ませていきました。昨年のJABA北海道大会の準決、決勝あたりから『掴んだ』というか、捕球から送球までの一連の流れが練習通りに自然にできるようになりました」 愚直なまでの練習への取り組みから成長した田中は、今年の東アジア競技大会でも2年連続となる日本代表に選出され、アマチュアNo.1遊撃手と呼ばれるほどの存在にまでなった。 ■背番号は出世番号の「63」 「ドラフト会議で名前を呼ばれることがずっと夢だった」というプロの世界へ。 田中は14日、都内のホテルで広島と、契約金7000万、年棒1100万で(いずれも推定)仮契約。背番号は、今季ブレイクした同世代・丸 佳浩外野手の「63」を受け継いだ。 「出世番号ということなので、それを途切れさせないように。期待されている感があって嬉しかったです。いずれは、もっと若い番号を付けたいとは思いますが、逆に63で内野手というのは、珍しいのでファンの方たちにも覚えてもらいやすいかなと」