究極の走りを追求するドライバーのためのマシン、GR スープラ GT4 EVOが『トミカ』にラインアップ!
【トミカ × リアルカー オールカタログ / No.22 GR スープラ GT4 EVO】発売から50年以上、半世紀を超えて支持される国産ダイキャストミニカーのスタンダードである『トミカ』と、自動車メディアとして戦前からの長い歴史を持つ『モーターファン』とのコラボレーションでお届けするトミカと実車の連載オールカタログ。あの『トミカ』の実車はどんなクルマ? 今までの『No.22 ボルボ C40 リチャージ』に替わって2024年9月の第3土曜日に『トミカ』に加わったのが『No.22 GR スープラ GT4 EVO』です。トヨタのGR スープラ GT4 EVOは、今、世界のGT4レースシーンで注目を集めているレーシングカーです。車名に付けられている「GT4」とは、主に耐久レースの形式で行なわれる自動車レースにおいて、量産車をベースに改造されたレーシングカーが競い合う部門である「グループGT4」のことを指します。 グループGT4の車両規定で作られたレーシングカーで参戦できるレースは、日本のスーパー耐久シリーズやインタープロトシリーズのような、主に各国や各地域のアマチュア選手権ですが、ニュルブルクリンク24時間レースなど一部の国際的なレースにも参戦できます。これらのレースは世界中で開催されており、特にヨーロッパや北米を中心に数多くのファンに支持されています。 グループGT4はグループGT3より改造範囲が限られていることから、レーシングカーの価格を低く抑えることができるため、特にプライベートチームや新人ドライバーが参入しやすいとして高い人気を誇っています。GT4のレーシングカーは、市販車に近い形を保ちながらも、レースで走るために必要な性能や安全性を備えた設計と改造が施されており、各自動車メーカーが自社の技術力を投入して競っています。 GT4の大きな特徴として、レーシングカーの性能が「バランス・オブ・パフォーマンス(BOP)」というルールで管理されることが挙げられます。BOPは異なる自動車メーカーの車両同士での性能のバラツキを調整するためのルールで、車重やパワー、空力性能の制限などを設けることでレースの公平性を保とうというものです。これにより自動車メーカーやチームの技術力や資金力ではなく、ドライバーの運転技術やチームの戦略が勝敗を分けるレースを実現しようとしています。GT4はまた、自動車メーカーごとの独自性が色濃く反映される部門でもあり、トヨタやアウディ、BMW、メルセデス・ベンツなど、世界中の自動車メーカーの個性豊かな車両が参戦しています。 そんなGT4のレースにトヨタが2020年に投入したのがGR スープラ GT4 です。この車両は、トヨタの人気スポーツカーのスープラをベースに、同社のレーシング部門であるGazoo Racing(ガズー・レーシング/GR)が開発したレーシングカーです。GR スープラ GT4は多くのレースで活躍しましたが、そこからさらに進化を遂げたモデルが今回、『トミカ』に加わったGR スープラ GT4 EVOで、レースでの競争力を高めるために多くの改良が施されています。車名に加えられた「EVO」とは「エボリューション=進化型」という意味です。実車は2022年(2023年シーズン)に発表されました。 GR スープラ GT4 EVOでまず注目なのはパワートレインの進化です。GR スープラ GT4 EVOには市販モデルと同様、トヨタとBMWの協業により開発されたBMW製の3.0L直列6気筒ターボエンジンが搭載されています。GT4ではこのエンジンがレース仕様にチューニングされ、スムーズな加速と高い直線スピードを誇っています。最大出力は430psを発揮していましたが、改良版であるGT4 EVOではさらに増大し、最大出力は450psに達していると言われています。加えて、エンジンの耐久性が強化されているため、長時間の耐久レースでも安定したパフォーマンスを発揮することが可能です。 さらにサスペンションとシャシーの改良も見逃せません。GR スープラ GT4 EVOは、レース用に専用設計されたサスペンションを装備しており、これにより高いグリップ力とコーナーリング性能を実現しています。GT4レースでは車両が高速でコーナーを通過する場面が多いため、サスペンションのセッティングは非常に重要な要素です。GT4 EVOはサスペンションジオメトリーがさらに細かく最適化され、レース中にタイヤが常に路面にしっかりと接するよう調整されています。また、シャシーが一段と強化されてボディ剛性がさらに向上したことで、安定性もさらに増しています。これにより、ドライバーは高い速度域でも安心してハンドリングを行なうことができます。 さらに、空力性能の改良も大きな特徴です。レースでは車両のダウンフォースが非常に重要であり、特に高速域での安定性が求められます。GR スープラGT4 EVOでは、フロントスポイラーやリヤウィングが再設計され、空気抵抗を抑えつつ、GR スープラ GT4よりさらに強力なダウンフォースを生成するようになっています。この改良により、直線スピードの向上だけでなく、コーナーリング時の安定性も向上し、ドライバーは自信を持って車両を操ることができます。 最後に、ブレーキシステムの強化も重要な進化です。GT4レースは長時間に及ぶ耐久レースであることが多いため、ブレーキの耐久性と性能が非常に重要になります。GR スープラ GT4 EVOにはGR スープラ GT4同様に大径のブレーキディスクと高性能なキャリパーが採用され、強力な制動力を発揮します。GT4 EVOではブレーキの放熱性能がさらに向上しており、レース中のブレーキのフェード現象(熱によるブレーキ性能の低下)を防ぐ改良が施されています。 GR スープラ GT4 はGT4カテゴリーのレースで多くの実績を残し、そのパフォーマンスの高さと信頼性は多くのドライバーやチームから支持されていますが、GR スープラ GT4 EVOはその実績をさらに積み重ねるべく、トヨタのレーシング部門が培ってきた技術と最新のノウハウを詰め込んだ一台であり、今後もGT4レースシーンでの活躍が期待されています。GR スープラ GT4 EVOは単なるスピードやパワーだけでなく、エンジン、シャシー、空力性能、ブレーキ性能の全てにおいて細かく調整され、最適化されたレーシングマシンであり、レースにおける総合的なパフォーマンスの向上が目指されているのです。そして2025年1⽉、アメリカで行なわれるデイトナ24時間レース併催のIMSAミシュラン・パイロット・チャレンジの第1戦で、さらなる後継モデルのGR スープラ GT4 EVO2が世界デビューする予定です。『トミカ』の『No.22 GR スープラ GT4 EVO』は、この世界のサーキットで活躍するレーシングカーの特徴を上手くとらえて再現しています。 ■GR スープラ GT4 EVO 主要諸元 全長×全幅×全高(mm):4460×1855×仕様による 車両重量(kg):1370(BOPによる変更あり) エンジン形式:直列6気筒 排気量(cc):2998 最高出力:SROのBOPによる(SRO BOPの調整にはUSBパワースティックを使用) 最大トルク:660Nm(SROのBOPによる) トランスミッション: オートマチック トランスミッションパドルシフト付(ZF製) サスペンション(前/後): マクファーソンストラット/マルチリンク ブレーキ(前後) :ベンチレーテッドディスク タイヤ:(前) 305/660-18 (後) 305/660-18 ■毎月第3土曜日はトミカの日! 毎月第3土曜日は新しいトミカの発売日です。2024年9月の第3土曜日には、上でお伝えしているように、それまでの『No.22 ボルボ C40 リチャージ』に代わって『No.22 GR スープラ GT4 EVO』が登場します。また、それまでの『No.59 日産 フェアレディZ』に代わって『No.59 スバル レヴォーグ』が登場します。『No.59 スバル レヴォーグ』には、初回出荷のみの特別仕様(特別色)もあります。
MotorFan編集部
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