「何者かになるまで帰れない」生き残りをかけた元宝塚・愛華みれの研究科での奮闘「批判は毒ではなく、特効薬だととらえて」
── 受け取り方次第で、自分の感情が豊かになったり、景色が広がったりと。 愛華さん:そうですね。人との出会いはさまざまな感情を生み出してくれます。誰かと出会わなければ「悔しい」という気持ちも知らなかったかもしれないし、また別の方との出会いが「こんなに笑える日が来るなんて」という喜びをくれたり。人と人との化学反応って本当に不思議なもので。ときには困難に感じることも、あとから振り返ると大切な糧になっていることが多いんです。
たとえば「ダメだ」と言われても、「いつか必ずその人を振り向かせてやる!」という気持ちで頑張れば、それが特別な力になる。私の場合、周りからの声を「毒」と考えるのではなく、むしろ自分を成長させてくれる「特効薬」だととらえ直すようにしてきました。そうすることで、どんな経験も自分らしく受け止められるようになったのかもしれません。 もちろん、苦しくなることを無理して受け入れてくださいとは思わないけれど、周りの声を新しい気持ちで受け止めることもひとつの方法ですよね。
PROFILE 愛華みれさん あいか・みれ。女優。1964年11月29日生まれ、鹿児島県出身。元宝塚歌劇団花組の男役トップスター。ホリプロ・ブッキング・エージェンシー所属。ミュージカルはもちろん、MCや声優にもチャレンジするなど多角的に活動を続けている。 写真提供/愛華みれ
山田優子