グッドorバッドマナー??? もしかして……[ありがた迷惑かもしれない行為]3選
■ランプ消灯やパッシングで「お先にどうぞ」
見通しの悪い交差点や、道路を右折する際に、対向車が道を譲ってくれるシーンはよくあること。その際に主に用いられる合図が、ランプの消灯やパッシングだ。道を譲られた側もこれに応えて「パッシング」をする。 こうした行為はもちろん道路交通法に示されたものでなく、ドライバー同士が互いの安全のためのコミュニケーションとして育まれてきた日本の優れた文化といえるかもしれない。 ただし、パッシングには譲り合いや感謝の気持ちを込められるいっぽうで、ネガティブな意思表示としても用いられる。 先行車へのパッシングはあおり運転での象徴的な行為だし、無理な割り込みや急停車に対する注意の際にも用いられる。 また、関東では対向車へのパッシングが「お先にどうぞ」の意味を持つのに対し、関西では逆の意味となるなど、地方によって交通マナーの解釈は異なる場合がある。 ゆえに、対向車へのお先にどうぞのパッシングもドライバーによっては、「早く行け!」、「危ないだろっ」といった注意喚起であるかもしれない。 ヘッドライトの消灯も、都心のような街灯が明るい道路の場合では、消灯したヘッドライトに気づかず、そのまま走行してしまうといったことも起こりうるなど、さまざまなトラブルの原因ともなりうるのだ。 こういったことからも、ヘッドライトはあくまでも暗い夜道を安全のために明るく照らすものであって、ドライバー同士のコミュニケーションツールとして用いることは控えたほうが無難だろう。
■対向車のパッシングでネズミ捕りの注意喚起
休日の日中にクルマでドライブ。普段は走行しない地方の幹線道路を走っていると、見通しのいい直線的な道路にもかかわらず、対向車線からこちらに向けられるパッシング。 「何か悪いことをしたかな」と疑問に思いつつ走行していると、数km先で警察によるスピード違反の取り締まりに遭遇し、「あの時のパッシングはコレだったのか」と後から気づいた、なんて経験をお持ちの方もいるだろう。 対向車線のドライバーへ、スピード違反の取り締まりを知らせるために行われる"親切パッシング"、これに"事なきを得た"ドライバーもいるだろうが、そもそもこうした行為は人助けなのか、無謀運転のドライバーを助長したり、警察の職務を妨害したりする違法行為なのか、と考えると意見は分かれるだろう。 こうした行為の意図が「法定速度を守って安全に走ろうね」という注意喚起と考えれば、安全運転にも寄与しているともいえる。 スピード違反の取り締まりはパトカーや白バイなどによる追尾方式と、「定置式取り締まり」(いわゆるネズミ捕り)やオービスなどに大別されるが、定置式取り締まりは、警察官の動員や場所の確保、近隣住民との折衝、安全性などの面から、より効率的な自動速度違反取締装置や移動式オービスへ移行が進み、実施頻度自体が以前より少なくなっている。 その分、以前にくらべ対向車へ知らせる親切パッシングを見かける機会も減少してきているし、そもそも法定速度を遵守して走っているドライバーに対しては「この先のねずみ取りだけは気をつけて」という意図すら伝わらないだろう。というか、むしろ気分を害する可能性すらある。 また、運転歴が浅く、ねずみ取り自体に接する機会が少ない若年ドライバーにとってはパッシングの意図が伝わらない可能性大。「小さな親切大きなお世話」ではないが、親切パッシングとは、ある種の自己満足のために行われるコミュニケーションなのかもしれない。