NECレッドロケッツ川崎・藤井莉子「涙した日は自分のターニングポイントになりました」、澤田由佳主将「自分の良さを見つめ直して、アタッカーを活かしていきたい」 SV女子
――昨年の皇后杯、チームは優勝しましたが、メンバーには入れませんでした。優勝した時に、コートの外で涙されてる姿を覚えています。あの時には何を想った? 藤井:皇后杯は18人のメンバーが登録できます。その中から14人がベンチに入れるのですが、私は18人のメンバー登録にも入っていませんでいた。 当時、自分は副キャプテン。チームのためにというのは分かっていたのですが、個人的にはやっぱり悔しさがありました。 それがちょっと複雑な感情で、チームが優勝したのは嬉しいのですが、「私個人は本当に心から喜べているのかな」と自分と向き合った時に感情が溢れてしまいました。 私にとってはあの日がターニングポイントになったと思っています。 あの経験があったから、その後にリーグにも集中できましたし、チームが危なくなりそうな時には副キャプテンとして自分にできることを率先して考えることもできました。 あの経験は私のバレーボール人生の中ですごく貴重なものだったと思います。 今もそれを無駄にしてはいけないと思っていますし、あの感情をなくしてはいけないなとすごく思っています。 ――監督もおっしゃっていました。「地道な努力を続けてくると、いつか必ずチャンスが来る」。まさに、今その時なのでは? 藤井:実は「努力は必ず報われる」っていう言葉を私はあんまり好んでいないんです。成功する人は必ず努力をしていますし、努力は絶対に必要だと思うのですが、その努力のやり方を間違えると自己満足になってしまいます。努力の質というものをもっと自分と向き合って考えないといけないなと、皇后杯の時にも感じました。 「チームのために」というのが私の中では一番です。今はプレーで、技術でチームのために貢献できるところに繋がってきました。 ですので、今までやってきたことは無駄じゃないと思っていますし、それを漫然と続けるのではなくて、進化した努力というものを自分に求め続けていきたいなと思っています。