ZOZO6位健闘した23歳杉浦悠太 小柄172cmでも米ツアーで戦える十分な要素「やりたい気持ちは…」
ZOZOチャンピオンシップ最終日
日本開催の米男子ゴルフツアー・ZOZOチャンピオンシップ最終日が27日、千葉・アコーディアG習志野CC(7079ヤード、パー70)で開催された。16位で出た同ツアー初出場の23歳・杉浦悠太(フリー)が6バーディー、ボギーなしの64で回り、通算13アンダーで日本人トップの6位。トップ10入りで2週後にメキシコで開催されるワールドワイドテクノロジー選手権への出場権も獲得した。20アンダーのニコラス・エチャバリア(コロンビア)が米ツアー通算2勝目。松山英樹(LEXUS)は4アンダーの46位だった。 【動画】「イケメンすぎる」「渋すぎ」 松山英樹などのプレーを見つめる50歳大物俳優の実際の動画 最終18番パー5。杉浦は第1打を左の林に打ち込んだ。「バーディーがほしいホール」だったが、すぐに切り替えて頭を働かせた。 「右に出せば、第3打がピンまで200ヤード以上。左に出せば150ヤードで狙える」 第2打で選択したのは、隣りの9番パー4のフェアウェーに出すことだった。低く打ち出したボールは9番の左ラフへ。その後、杉浦は8分以上の待機を余儀なくされた。理由は松山の組がプレーしていたからだった。「すごいギャラリーで驚きましたが、僕もロープ内でギャラリーになっていました(笑)」 松山らが第2打を放った後、杉浦は第3打で160ヤード先にある18番のピンを狙った。「ライは良かったです。木を越える必要はありましたが、9番アイアンで落ち着いて打てました」 ボールはグリーン右のラフにこぼれたが、杉浦は7ヤードのアプローチをピン50センチに寄せ、タップインでパー。この時点でトップ10入りを確定させた。米ツアー初出場で好成績。松山、石川遼ら今大会出場の日本人17人のうち最高位だ。 「自信になりました。昨日と今日は上位で回れたことで、状態のいいPGAの選手たちを間近で見られて勉強になりました。まず飛距離がすごいですし、どんな状況でも簡単にボギーをたたかないですからね」
国内ツアーでは賞金王争い中
ゴルフは3歳で始めた。高2で1学年上の中島啓太らを抑えて日本ジュニア優勝。日大の主力として活躍し、4年時はナショナルチームのメンバーとして海外を飛び回った。国内ツアーのダンロップフェニックスを制覇。同ツアー史上7人目のアマチュア優勝で同日中にプロ転向し、今季は日本プロ選手権でプロ初優勝を飾った。 賞金ランクは6001万2404円で6位。だが、右肘痛で夏場はツアーからの離脱をせざるを得なかった。 「ゴルフをしたくてもできなかったのでつらかったです。その分、トレーニングで下半身を鍛えていました」 2週前の日本オープンは予選落ちに終わったものの、右肘の状態が良くなかったことを確信。今大会は初日からショットが好調で「また戦える」と手応えをつかんでいた。 結果は初出場の米ツアーで6位。「このフィールドで通用するところは」と問われ、「バンカーも含めてグリーン周りだと思います」と返した。172センチ、74キロと米ツアーの選手たちに比べると小柄だが、ドライバー平均飛距離は294.65ヤード。自負する巧みなショートゲームも踏まえ、同ツアーで戦える要素は十分にある。だからこそ言った。 「向こう(米ツアー)でやりたい気持ちは今大会の経験でより強くなりました。メキシコでの試合には自分でつかんだ権利なので出たい思いはあります。ただ、国内ツアーの賞金王も目指しているので、まだ、何も考えられていません」 アマでのツアー優勝、国内メジャー制覇、米ツアー初出場でトップ10入り。ステップアップを続ける23歳だが、「米ツアーの出場権をフルに持っているわけではないので、まだまだです」と謙虚に言った。目指すは同ツアー10勝、21年マスターズを制覇した松山の域。今は着々と力をつけ、いつかは同組で松山と勝負する。
THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida