なぜスズキ「スイフト」は若者にも人気なのか? 海外市場でも強い理由を探った!【クルマの経済学】
初代から続くスイフトらしいスタイリング
スイフトが運転好きの若者に選ばれる理由は他にもある。まずはスタイリングだ。選択理由としてスタイリングを上げる人も多いらしい。新型スイフトは初代スイフトから続く、一見してスイフトとわかる鏡餅スタイルのデザインアイデンティティを維持している。デザイナーはスイフトらしさを守りつつ新しさ、先進感を感じさせることに苦慮したという。 たしかに、シンプルでありながら欧州車に通じるような個性があって、積極的に選びたいと思わせるエクステリアデザインだと思う。ボディカラーも魅力的なものがラインナップされている。また新型はインテリアも2トーンとなってクオリティも向上しているように感じる。 さらに、試乗して驚いたのが燃費である。私の住む藤沢から青山~お台場を経由して藤沢まで戻るルートで24.8km/Lという燃費をマークしたのである。新型スイフトはマイルドハイブリッドという簡便な、ゆえに安価で軽量なハイブリッドシステムを採用しているが、それ以上に新型エンジンの効率の高さと軽さが効果を発揮しているようだ。新型のZ12E型エンジンは特別なメカニズムを使うことなく軽量化と効率アップを徹底的に追求したものである。またボディの空力性能にもこだわったということで、エンジン下や床下に空気抵抗を減じるための整流板が設置されている。この総合効果で、簡便なマイルドハイブリッドにもかかわらずフルハイブリッドに匹敵する燃費を実現しているのだ。 スイフトという車は従来の車の良さ、愉しさを維持した上で最高レベルの環境性能も持った車なのだ。しかも試乗したMTモデルの価格は192万2800円と、軽の上級モデルと大差ない価格で買えるのである。 スイフト、運転好きの方は一度試乗してみることを強くお勧めしたい。 SPECIFICATIONS スズキ スイフト ハイブリッドMX|Suzuki Swift Hybrid MX ボディサイズ:全長3860×全幅1695×全高1500mm ホイールベース:2450mm 車両重量:920kg 駆動方式:2WD(FF) エンジン:水冷4サイクル直列3気筒 総排気量:1197cc エンジン最高出力:60kw(82PS)/5700rpm エンジン最大トルク:108Nm(11kg・m)/4500rpm モーター最高出力:2.3kW(3.1PS)/1100rpm モーター最大トルク:60Nm(6.1kg・m)/100rpm トランスミッション:5段MT 価格:192万2800円
文= 山崎 明