バレーボール女子日本代表を強化部長・中村貴司が総括 「大きな自信になった」勝利とは?
日本バレーボール協会 中村貴司 女子代表強化部長 インタビュー前編 バレーボール女子日本代表強化委員長(取材当時/現・強化部長)の中村貴司氏にインタビュー。準優勝を果たしたネーションズリーグ(VNL)やパリ五輪のチームづくりなど、2024年の女子代表活動を振り返ってもらった。 <写真>元女子バレー日本代表 宮下遥フォトギャラリー 【VNL初戦に勝って"よし!"】 ーー女子日本代表はネーションズリーグ(VNL)で目標としていたパリ五輪出場権を獲得。そして、ファイナルラウンドでは銀メダル獲得。どのように評価していますか? 中村貴司(以下同) パリ五輪の出場権をかけた2023年の「パリ五輪予選/ワールドカップ」では、残念ながらトルコとブラジルに惜敗し、出場権は獲得できませんでした。そのため、2024年のVNL予選ラウンド終了時点での世界ランキングをもって出場権獲得を目指すことになりました。 何が起こるかわからない状況でスタートを切ったわけですが、気を抜くことができない戦いで、本当に苦しい状況であったとは思います。眞鍋政義監督以下、スタッフ、選手たちは五輪に出場するんだという意気込みが強く、ネーションズリーグ初戦のトルコ戦に勝利することができました。 当時、トルコはランキング1位でしたから、そのチームにフルセットで勝ちきれて、選手たちも「よし!」という気持ちが1戦目で芽生えたのだと思います。その後、負けた試合もありましたけど、なんとか出場権を獲得することができた。これはチームだけじゃなくて、バレーボールファン含め、皆さんの温かいご声援のおかげだと思っています。 カナダ戦に勝利すれば、出場権獲得というところだったのですが負けてしまって。ただ、ランキングの算定方法が非常に複雑で、ポイントの勝敗ではなく、対戦相手のランキングによってもまた微妙に違ってくるシステム。そういうなかで、カナダに負けて気を落としている状況の時に、他のチームの対戦状況で出場権が獲得できました。 本当はカナダに勝って出場権を確実にわかる形で獲得できたらよかったのですが、なかなか思うようにいかないのが勝負の世界。それでも最終日を待たずに出場権獲得が決まり、選手たちもスタッフも素直に安心したと思います。